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大学の先生には、なぜ「留守」が多いのか 「大学教員」以前に「研究者」? 仕事としての「研究」のリアル

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  • 小島 武仁 経済学者、東京大学大学院経済学研究科教授
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Economicsの先生はエコノミークラス?

いや、実は小物じゃなくてもエコノミーである場合が多い。このあいだ聞いたところでは、うちの大学の内規では、たとえノーベル賞を取っても例外にはならないようだ(※一方、大学内にノーベル賞受賞者用の専用駐車スペースがあったりするらしい)

金融業界に就職した大学院の友達が新人でいきなりファーストクラスに乗っていると聞いて、「あれ、もしかして業界間違ったかな?」とか思ったりする 。あと、今これを書いている席が狭い。

(……これ偏見かもしれませんけど、アメリカの航空会社の飛行機って日本のに比べて随分窮屈に感じるんですが。気のせいですか?)。

ちょっと腰が痛くなってきた。

ただし大学や学部によってココらへんは多少違っていて、うちでもたしか「ビジネススクールの教員はビジネスクラスに乗ってもいいよ」ということになっていたりするようだ。

文句を書いてみたけれど、「出張する」のはつまり、招いてくれる大学が発表や交流の場を提供してくれているということであるわけで、そこから新しい研究が生まれたりもするのだから、やはり重要だこの連載を読んでくれている同業者の方、ぜひ呼んでください!

たとえば昨年フランスのトゥールーズという街(※エアバスの本社があることで有名な街だが、Toulouse School of Economicsという、経済学の一大拠点がある)に2週間くらい出張したのだけれど、そのときにホストしてくれた方(※実は日本人の研究者で、ウチの卒業生!)と始めた共同研究は、今ちょうど結果が出そろって論文の形にまとめているところだ。このフライトでも改訂をやるべきところであるはずが、サボっている……。

著者撮影:共同研究者がいる関係でソウルにはよく行く。ハイキングコース内に「北朝鮮からのスパイとの銃撃戦跡」というのがあった……

それから、論文は書くほうも一苦労だが読むのも楽ではないので、直接セミナーでしゃべってちょっと無理矢理にでも(?)聞かせないと、自分の研究の存在にみんなが気づいてくれない、というような事情もある。

※そうそう、これももしかしたら意外に思われるかもしれないが、論文が専門誌へ掲載されたときに原稿料は一銭ももらえない。それどころか、掲載するかどうかを考慮する「査読料」を徴収する専門誌も少なくない。その代わりに、大学や企業やさまざまな研究費助成の団体がお金を出して、研究活動を支えるという仕組みになっている。

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【オンライン化の波はセミナー報告にも来るか?】

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