おカネの価値は、伸び縮みする。たとえば、大人にとっての5000円と、小学1年生の5000円は同じ価値ではない。このように、モノの高い安いの判断は絶対値ではなく、環境や状況、比較する条件に応じて判断されているわけだ。
それゆえに、商品やサービスに付けられた価格をジャッジする際に、私たちは時々錯覚を起こし、買うべき値段でないものをうっかり買ってしまうことがある。そんな錯覚をわざと起こさせて、消費者におカネを払わせる手法は多い。財布のひもが緩みがちな時期を前に、この錯覚を起こすパターンの5つを整理してみた。
錯覚を起こすパターン5つ
買い物の最初に印象的な数字を見ると、それがまず頭に残る。人は高い安いを判断する根拠として何かしらのベンチマークを求めるため、最初に見たもの=数字を、なんとなく基準に据えてしまいがちだ。
高級品を扱うお店のショーウインドーに、20万円の値札が付いた商品が飾られているのを見て「さすがに手が出ないな」と思ったとしよう。しかし、ちょっと店の中をのぞいてみると、5万円の商品を見つけた。「なんて安いんだ、これはお買い得じゃないか」と、うっかり感じてしまった人は、まさに錯覚におちている。
5万円が安いか高いかは、それ自体の価値のジャッジではなく、先に見せられた20万円との比較によって判断されている。先に高額な価格を見せて、その金額からの変化により安く錯覚させる、いわゆる「50%オフ」商法も同じ。価格高めのものをお値打ちに見せる手法としては効果的だ。普段めったに行かない高級ブランド店に行くときは、このことをぜひ思い出してほしい。
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