未婚率と「20代の移住者数」が比例しない理由 若い男性は東日本へ、若い女性は西日本へ

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20歳前後の年齢で見ると、圧倒的に愛知県が男性集中エリアです。8年間累計で約2万8000人もの若い男性のほうが多く転入しています。次点に神奈川、静岡が続きます。20~30代の男余り率トップ2の茨城・栃木などの北関東勢もやはり強く、茨城は静岡に次いで4位、栃木が5位、群馬が6位でした。

こうして見ると、北関東の男余りの要因のひとつは、若年男性の転入過多によるところが大きいのでしょう。若い男性の転入超過のあるエリアには、自動車や家電など大きな企業の工場があることも影響があると思います。

20歳前後の女性の転入1位は大阪

逆に、20歳前後の女性の転入1位は大阪です。8年累計2万2000人超過は、福岡の1万7000人、東京の1万5000人を大きく引き離しての堂々のトップです。言い換えると、全国で若い女性を吸引する都市というのは、大阪、福岡、東京の3大都市だということです。結婚したい独身男性の皆さんは、ぜひこの3大都市にお集まりいただければと思います。

一方、25~34歳になると、神奈川、愛知、栃木、茨城など15~24歳時点では男性転入超過の上位だったエリアが軒並み女性転入超過に様変わりします。同様に、福岡は、15~24歳では女性超過ですが、25~34歳では男性超過となります。

このように15~24歳と25~34歳とで転入超過が男女で逆転するのは28エリアありました。これはおもしろい現象だと思います。それも男性超過→女性超過と変化するのは東日本に、その逆に女性超過→男性超過と変化するのは西日本に偏っています。

つまり、20歳前後の若い男性が集中したエリアというのは、同時にアラサー女性が集まるエリアでもあり、逆に、20歳前後の女性が集まるところにはアラサー男性が集まるということになります。

アラサー男女の場合、前述したとおり、未婚率は50%程度なので、半数は結婚しています。結婚後の新居として引っ越しをする場合も多いかと思います。そういう意味ではアラサー女性の転入が多いのが1位神奈川、2位東京、3位千葉と首都圏に固まっているのもそれと関連があるのかもしれません。アラフォーの夫とともに郊外の持家に引っ越すという形態です。しかし、なぜアラサー男性の転入超過だけ埼玉県なのかは不明です。

以前、「東京の『独身が住む区』は男女でこんなに違う」という記事で、独身男性は東京の江戸川、葛飾、足立区などの東京の東側・北側エリアに集中するという事実をご紹介しましたが、さらに家賃負担を軽減するために埼玉エリアまで進攻するということも考えられるのではないでしょうか。もし、結婚して夫婦で移動していたとするならば、これほど男性超過にはならないですし、その下の15~24歳でも埼玉は男性超過ですから、独身男性の移動が多いのだと思われます。

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