ここで、女性の転入超過が特に著しい大阪と福岡について、2014年から2017年にかけての各年齢別男女転入超過実数差分を見ていきたいと思います。
大阪も福岡も、女性の転入が顕著なのは20~24歳に限られていることがわかります。むしろそれ以外の年代はほぼ男女で差がなく、20代前半の女性がかなり多く転入していると判断できます。これは東京も同じです。若い女性の転入が多い県はみなこうした√(ルート)型の波形になります。
逆に、男性超過の愛知、茨城を例にとると、まったく正反対。20~24歳の男性の転入が最も多く、変形のN型となります。つまり、転出であれ、転入であれ、男女の差分が大きいのはこの20代前半の年齢に絞られるということがわかります。
未婚率には影響があるのか?
20歳前後の段階で男性転入過多および女性転入過多があるエリアの違いが明確であることはわかりましたが、では、こうしたエリア特性が男性の未婚率に影響を与えているのでしょうか? シンプルに考えれば、女性転入過多のエリアのほうが男性未婚率は低くなるはずです。事実、福岡のアラサー男性未婚率56%は茨城の60%と比べると低いのです。
しかし、全体的に15~24歳の男性転入超過人口比と男性の各年代での未婚率の相関を調べたところ、25~34歳では相関係数0.42、35~44歳では同0.51、生涯未婚率対象年齢である45~54歳ではわずか0.28しかありませんでした。つまり、20歳前後でのエリア男女人口不均衡は、それほど未婚率には影響を与えていないことになります。これは、女性転入超過実数ベースではトップ3の大阪・福岡・東京の女性の生涯未婚率がおのおの3位、6位、1位と高いことが関係しています。
つまり、若い頃に大都市に出てきた単身女性たちは、結果的に未婚のまま大都市に住み続ける傾向があります。大都市で働く女性が増えるということは、そのまま男女の未婚率を押し上げる要因かもしれません。
最後に、15~34歳男女の転入状況を4つに分けて(20前後女過多/20前後男過多/全体的に女過多/全体的に男過多)マッピングしてみました。言うなれば「男町/女町マップ」です。あなたの住む町はどうでしょうか?
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