事実や解釈の書き方は実は複数ある
みなさんは、文章を書くのは得意ですか? 私はさまざまな企業で、文章の研修を行っていますが、多くは経営者や管理職の方から「部下から上がってきた報告書の文章が理解できないので、何とかしてほしい」というご依頼がきっかけです。事前にどのような文章なのかを拝見すると大体3パターンくらいに分けられます。
①ひたすら事実が羅列してある
いつどこで誰が何を言った……など、あったことが時系列でひたすら書かれている文章です。確かにそういう事実はあったのでしょうが、読んだ方が「それで何が言いたいわけ?」となりがちです。これでは報告文書ではなく活動記録のようなもので、読む人にも負担がかかります。具体的な事実を解釈して抽象化して伝えることが改善ポイントです。
②解釈が主観なのか客観なのかが不明
具体的な事実を抽象化し、解釈して書いているだけ①よりはましですが、客観的な解釈として妥当なものなのか、個人的主観なのかが区別しにくいのも理解しにくい文章です。個人的な解釈を書いてはいけないわけではなく、独自の解釈や思いを述べる場合には、個人的見解であることがわかるように書き分けないと、読む人が混乱しがちです。
③抽象化しすぎて一般論になり、意味が見いだせない
これは解釈を抽象化しすぎてしまい、あまりにも一般論すぎたり、ありきたりな表現になっていて文章の意味がなくなってしまっているケースです。たとえば「営業において大切なのは顧客ニーズを把握することである」と書かれていても、「そりゃそうだよね」と思われるだけであまり説得力を感じないでしょう。具体的な事実で補足したり、抽象化を一段下げてより真意が伝わる表現をする必要があります。
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