「4色マーカー」で文章がメキメキ上手くなる 「具体」と「抽象」、「主観」と「客観」の分類が鍵

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1. 客観的事実・情報をしっかりと集める

まずは左下①一般的な事実・情報をしっかりと集めることが出発点です。プロのライターの方々も取材がしっかりしていなければ書くことはできないと口をそろえておっしゃっています。

ある研修の演習で「まずは箇条書きでよいので情報を書き出してください」と指示したところ、参加者の方から「何も書けません」という声が上がりましたが、これは文章を書こうと思って対象を見ていないのが原因です。

たとえば、営業として企業を訪問して訪問レポートを書くことが決まっているのであれば、商談中に意識して材料を集めましょう。そのために予め自分の中で仮説を立てておきます。仮説とは「顧客企業の現状は○○ではないか?」「担当者の真のニーズは○○ではないか?」「検討はどの段階まで進んでいるのか?」など、訪問前に検証したいことを書き出しておくのです。これが準備されていれば商談の中で書くべき情報をしっかりと集めることができるでしょう。

また、これらをメモとして残しておきます。会話から得られた情報はもちろん、実際に目にしたことなども含みます。現場の雰囲気や担当者の顔色など、そこに足を運ばなければ得られない情報がたくさんあります。これらは右下の②、独自の事実や情報になります。

あらかじめ仮説を立て検証して得られた情報や、現場でしか得られない独自の情報は文章の価値をあげる材料です。これがなければ、たとえ文章を書くプロであっても、白紙を前にして途方にくれてしまいます。まずは図の下部分、事実や情報をしっかりと集める取材力を身に付けましょう。

ポイントは抽象化しすぎないこと

2. 具体から抽象への壁をこえる

具体的事実をそのまま書くだけでは、読み手に負担がかかりますので、抽象化した解釈や主張を考えるのが次のステップです。ポイントは抽象化しすぎないことです。抽象化しすぎてしまうと「そりゃそうだろ」以外の反応が得られにくい、文章として読み手に価値のないものになってしまいます。

たとえばある研修の受講レポートに「仕事の目的を意識することが重要だと思った」と書いてあるのを読んだとしたら、「そりゃそうに決まってる」と感じるのではないでしょうか。これは抽象化しすぎてしまっていますので、少し抽象度を落とす必要があります。たとえば「仕事の目的を紙などに明文化して、つねに関係者の目に入るようにして意識できるようにすべきだと思った」のほうが何が重要なのかが伝わりやすく、抽象度としてはよいでしょう。

抽象度を適切にすることは難しいことではありますが、文章をわかりやすくするうえで重要なポイントになるため、抽象度の例をもう少しあげてみます。例として「1000円カットという散髪だけの理髪サービスが繁盛している」という情報があったとして、この現象を解釈する文章を書くとした際に抽象度を変えて書いてみます。

例①:現代はデフレの時代であり、さまざまな領域で価格破壊が起きている。
例②:顧客ターゲットを明確にすることでビジネスは成功する。
例③:コアの価値に特化し、区切りの良い価格設定で値頃感を出した成功事例である。

① や②は、抽象度が高すぎ、他にも当てはまることが多く一般論になってしまっています。1000円カットの情報から抽象化すべきことは、サービスと価格です。このポイントに対して適切な抽象度で表現すると読み手も示唆として認識できます。「価格破壊」、「顧客の明確化」というざっくりした解釈では、読み手に「そりゃそうに決まっているだろ」とそっぽを向かれてしまうリスクが高いのです。

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