3. 抽象から具体を示す
主張したい内容の抽象度が高い場合には、具体的な事実や情報でそれをしっかりと支える必要があります。
たとえば「整理整頓で生産性を向上させるべきである」という主張は、抽象度が高く「そりゃそうだよね」とあまり深く重要性を認識してもらうことが難しいですね。こういったある意味誰もが反論しないような抽象的な主張の場合には、具体的な事実でしっかりと補強します。具体的にする際にはWhy-What-Howという3つの観点で考えるとよいでしょう。
Whyは理由の具体化
まず、Whyは「なぜ重要なのか?」という理由の具体化です。たとえば「整理整頓を徹底したA社は利益を5%アップすることに成功した」という客観的な事実や、「私はそれまで整理整頓とはかけ離れた状態で仕事をしていたが、整理整頓を実行したところ、定時に帰れるようになっただけでなく、立て続けに大きな案件を受注した」など個人的な理由でもよいでしょう。読み手がそれほどまでに重要なのかと認識を覆されるような理由を書きます。
次に、Whatは「それはどういうものなのか?」という主張そのものの具体化です。整理整頓と言っても人によって抱くイメージはさまざまですから、この提案で目指す整理整頓とはどんなものなのか特徴をあげます。たとえば、「組織の問題を解決する整理整頓」「億劫ではなく、楽しみながらできる整理整頓」「個人の行動特性に合わせた整理整頓」「1日3分で終わる整理整頓」など、読み手が覚えやすい特徴をキャッチーな言葉で表現します。
最後のHowは「どうやるのか?」というやり方の具体化です。これがないと掛け声だけになってしまいますから、整理整頓のやり方やスケジュールなどアクションが見えるところまで具体化します。
ヒト・モノ・カネ・時間などがどのように使われるのかを示しましょう。具体化というとやること(How)ばかりに目がいきがちですが、Why-Whatからの流れがないと細かすぎて本質が伝わりにくいので、この流れを意識することで抽象的な主張の説得力が増します。
文章を書く際にこの4象限を意識してもよいですし、自分が書いた文章に4色マーカーなどで4象限のどこかがわかるように線を引いてみるとどの情報が足りないのかが見えてきます。実際に研修でこの作業をやったある受講者の方は、「この色分けをしただけで自分の文章がなぜ、わかりにくいと言われるのかがよく理解できました」とおっしゃっていました。伝わりやすく、面白い文章を書きたいと思われたら4象限を参考にしてみてください。
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