「特別支援学級」で育った子の知られざる本音

5歳で発達障害の診断を受けた女性の今

涼音さんの「勉強したい」という思いは、今に始まったものではありません。

中1のときにはすでに「塾は通わせてもらえないとわかっていたから、進研ゼミの中学講座をやりたいと親に言って」、登校前や休み時間、帰宅後に、ひとりで勉強していました。

親から「勉強やめたら?」と言われてもやめず、中3の夏休みも毎日5時間の自主勉強を続けます。模試では「5教科の偏差値が50くらいだった」そうですが、完全な独学でこの成績はたいしたものでしょう。しかし残念ながら、特別支援学級から一般高校に進学することはほぼ不可能なため(内申点がつかない)、受験は断念することに(※地域によって異なります)。

大学受験のときも、先ほど書いた元カレの件(引っ越し手伝い)や、実父の他界が続いたことなどから、希望校を受けることがかないませんでした。高校のサークルで書いた小説が文学賞を取っていたため、AO入試で現在の大学に進学できたのですが、それでも「学歴コンプレックスが強い」と言います(受験で進学するより小説で進学できるほうがスゴイと筆者は感じますが、そこは人それぞれの価値観でしょう)。

療育の意味では、特別支援学級に行ってよかった。でも勉強はしたかったという涼音さん。

「いまは特別支援学級でも普通学級でも、勉強と療育を両方やるってことが、ほぼ不可能ですよね」

サラリと口にしましたが、おそらく彼女が社会や大人たちに最も訴えたかったのは、このことでしょう。同じように感じている子どもは、実は多いのかもしれません。

先日、自閉症の子がいる友人にも意見を聞いたところ「一番の問題は『その子に適した場がない』ということ。知的障害がある子どもにも、普通学級の子どもにも、同様の問題は起きている」と言われ、確かにそうかもしれない、と思いました。

特別支援学級から見た普通学級

当時、涼音さんの学校では、特別支援学級の子どもたちに、普通学級の子どもが意地悪をしてくることが珍しくありませんでした。

「たとえば、小2の男の子3人組から『特別支援学級のくせに、廊下歩いてんじゃねえや、気持ち悪い』と言われたり。図書室に行ったら、年上の小5の女の子に『気持ち悪っ』とか言われたこともありましたね。やっぱり、けっこうグサッとは来ました。もちろん、普通学級の誰もがいつも、いやな態度をとるわけじゃないんですけれど。でも、普通クラスの子の嫌な面は、たくさん見てきました」

中学校の特別支援学級に入ると、他校の支援学級から来た子どもたちは「明るくて、のびのびして」おり、涼音さんの学校の支援学級から来た子は「暗かった」そうなので、学校によっても環境はだいぶ異なっていたのでしょう。

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