29歳、有名私大卒の彼女がADHDで抱える苦悩

薬は近視の人がメガネをかけるような感覚

高学歴の公務員と聞くと、一見生きづらさからはかけ離れていると思う人もいるかもしれないが……(写真:筆者撮影)
独特なこだわりを持っていたりコミュニケーションに問題があったりするASD(自閉症スペクトラム障害/アスペルガー症候群)、多動で不注意の多いADHD(注意欠陥・多動性障害)、知的な遅れがないのに読み書きや計算が困難なLD(学習障害)、これらを発達障害と呼ぶ。
今までは単なる「ちょっと変わった人」と思われてきた発達障害だが、前頭葉からの指令がうまくいかない、脳の特性であることが少しずつ認知され始めた。子どもの頃に親が気づいて病院を受診させるケースもあるが、最近では大人になって発達障害であることに気づく人も多い。
そんな生きづらさを抱えた人を追う本連載。第4回は、高偏差値の有名私大を卒業し、現在は関東の某市役所で公務員として働く三浦沙織さん(29歳・仮名)に話を聞いた。
三浦さんは、社会人2年目であった2012年にADHDの診断を受けた。高学歴の公務員と聞くと、一見生きづらさからはかけ離れているようなイメージを持つ人もいるかもしれないが、さまざまな苦難があったと語る。

片付けられず忘れ物も多いが、成績は優秀

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小さい頃から片付けが苦手で、通知表には必ず「お片付けを頑張りましょう」と書かれていたという三浦さん。

「先生から毎日のように『片付けなさい』と怒られていて忘れ物も多く、典型的なダメな子でした。机の引き出しの中もぐちゃぐちゃです。実家に住んでいるので、ゴミ屋敷になる前に親がなんとかしてくれるのですが、もし一人暮らしをしていたら確実にゴミ屋敷にしちゃうタイプ。でも、成長するにつれて、自分ができないことに対して、帳尻を合わせるスキルが身に付いていったんです。

たとえば、夏休みの宿題は8月の終わりに一気に終わらせる、大学の講義はレポートや出席重視のものではなく、ペーパーテスト一発のものを選択し、就活の際もペーパーテスト重視の役所を選びました。私、過集中を発揮する部分があり、試験には強いんです」(三浦さん)

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