ADHDの子どもというと、授業中に座っていられずに教室内をうろつくイメージを持つ人も多いかもしれない。でも、ADHDには授業中に歩き回るような衝動的な言動を抑えられない「ジャイアン型」と、不注意が多くのんびりしている「のび太型」に分けられ、三浦さんはのび太型だと言う。
小さい頃から親や親戚に「置物のような子」と言われていたほどおとなしい子だった。勉強が得意で成績は良いものの、宿題は忘れるし授業中の居眠りも多い。宿題を真面目にやって授業態度も良い生徒の中には「なぜ三浦さんはあんなに授業態度が悪いのに通知表に5がつくんですか?」と教師に尋ねる者もいた。
「後で調べてわかったことなのですが、ADHDの人は睡眠障害のナルコレプシーと型が似ていて、眠ることにも集中できないので、眠りが浅いらしいんです。だから、昼間に眠くなって授業中に寝てしまい、傍目に見ると真面目に授業を受けてないように見えるんです」(三浦さん)
ネットで調べ、薬が承認された年に病院を受診
自分がADHDではないかと疑い始めたのは中学生の頃だった。ちょうど、「片付けられない女」をテーマにした書籍の発売が相次いだ時期。たまたまその本を読んだ母親から「あんた、これじゃないの?」と言われ、読んでみると自分と共通する点が多くあり、その原因はADHDの場合があると書かれていたのだ。
「それからはADHDについてネットで調べまくる日々が始まりました。当時、子ども用の薬はあったのですが、大人用の薬がなかったんです。以前は、リタリンという薬が大人用として処方されていたのですが、健常者が飲むと覚醒剤のような症状が出ることから、転売して悪用する事件が起こり、処方できなくなってしまいました。
薬がないのなら病院に行っても仕方ないと思いつつ、2ちゃんねるなどで評判の良い病院と薬の最新情報を収集。2012年、ようやく大人用の新たな薬が出たことを知り、精神科を受診しました。作業する能力と語彙の能力でIQ(知能指数)の乖離が15以上あると発達障害と言われているのですが、検査の結果、私の場合はその乖離が20ありました。
間違い探しや作業の順序立てを行う動作がとても遅く、動作だけのIQは80しかありませんでした。片付けられない原因の一つが、間違い探しができないよう、散らかっていることが目に入らないからだとわかりました」(三浦さん)
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