親の離婚を経験した人たちが、子どもだった当時感じたことや、その後の親子関係について本音を語る。NPO法人ウィーズが昨年こんなイベントを企画し、私がある媒体で紹介したところ、大きな反響がありました。そのなかにこんなメッセージがありました。
「私の両親は私が小学6年生のときに離婚しました。当時から高校3年となった現在も、離婚後の親子関係、面会交流、子どもの気持ち等に強い関心があります。(中略)お話を伺いたく連絡をさせていただきました」
高校生から連絡をもらったのは初めてです。こちらのほうこそぜひお話を聞いてみたい。お返事を送り、東京駅の近くの喫茶店で会う約束をしたのでした。「おとなたちには、わからない。」シリーズ、今回は親の離婚と再婚を経験した森村忠孝さん(仮名・18歳)のお話です。
「子どもの意思」の難しさ
忠孝さんは現在、東京近郊で母親とふたりで暮らしています。忠孝さんの母親は離婚後まもなく、今から5年前、中学1年生のときに再婚しましたが、相手(継父)は現在、新潟に単身赴任している状態です。
母親は長年重いうつ病を患い、家事はヘルパーさんや訪問看護師に支えられています。母親が毎月通う都内の病院にも、彼が付き添っているのだそう。
そうした環境の中で、大学受験の勉強を続ける忠孝さん。でも、状況から想像するような悲壮感はありません。かといって無理をしているわけでもない。年齢のわりには落ち着いて見えますが、態度も口調も朗らかです。そんな忠孝さんでも、両親の離婚については、今でも思うところがたくさんあるようです。
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