「北朝鮮的な資本主義」のいびつすぎる内実

法律によって押さえ込もうとしているが…

北朝鮮で「資本主義」が広がりを見せつつあるのは、法律を見れば一目瞭然だ(写真:frenta/PIXTA)

北朝鮮の法律を見ると、資本主義が一段と目立つようになってきたことがわかる。社会主義を維持しながら経済改革を進める経済管理改善措置を2002年7月に導入して以降、北朝鮮は市場経済の広がりを認識し、法律で取り締まるようになってきている。

自由な経済活動が国全体に広がっている

これらの法律は最高人民会議(国会)によって可決されたもので、韓国の国家情報院(NIS)から自由にダウンロードできる(文書はハングル)。

東洋経済オンラインは北朝鮮情報の専門メディアとして定評のあるNK Newsと日本語訳の独占配信契約を締結。毎月約10本の記事を厳選して紹介していきます。

以下に挙げた例を見ればわかるように、北朝鮮の法律は自由な経済活動が国全体に広がっている状況を認めている。

●警察は幅広い権限を持ち、市場経済とつながりのある活動を多数取り締まっている。

●地方の行政機関は、市場経済を抑圧するのではなく、反対に市場経済の運営を適切なものとするよう義務づけられている。

●国有企業は市場を通じて資材を調達したり、民間から資金を集めたり、特定の物資を市場で販売することが許されている。

●国営の集団農場にも民間から資金調達する権利が与えられている。

●小売市場の存在は社会主義商業法によって認められているが、現段階ではまだ公的配給制度を「補助する」ものとされている。

北朝鮮の経済システムは複雑だ。もちろん、海外にその存在が知られている法律を見ただけで、北朝鮮経済の全体像がわかるわけではない。

とはいえ、このような法律は貴重な情報を与えてくれる。今日の北朝鮮で自由な経済活動がどのように規制されているのかを映し出すものとしては唯一、公式にして、具体的に目で見て確かめられる資料だからである。

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