もうひとつはradikoの呼び出しである。Assistant for Xperiaは登録したアプリを音声起動できるが、radikoに関しては内蔵機能として呼び出しに対応しており、アプリさえインストールしておけば、いつでも呼び出せる。
漂うように音が聞こえてくる自然なリスニング感覚は、ラジオとの相性が極めてよい。特別に対応したのは大正解だ。
ダークサイド、ライトササイドと言いつつ、明るい面ばかりの絶賛調となってしまったのは、Xperia Ear Duoに現状、ライバルと思える製品がないことが理由だ。
本機のハードウエアはイヤホンというよりも補聴器に近い印象だが、そうしたハードウエア構成を採用しながらも、音質面で“嫌だ”と思わせるところがない。高音質か否かという切り口で言えば、一般的なイヤホンのほうが高音質である。しかし、音の質の面で言えば上手に整えられている。そこはさすがにソニーという会社のDNAなのだろう。
続いて「短所」についてもみていこう。Xperia Ear Duoにはいくつか改善すべき点もある。
課題は「バッテリー持続時間」
まず、ないものねだりであることを承知で書くならば、たった4時間のバッテリー持続時間はいかにも短すぎる。バッテリー兼用ケースを使えば16時間使えるのだし、一般的なイヤホンならば、4時間でも不満は出ないかもしれない。しかし、本機は常時装着することで、スマートフォンに届く通知・情報を音声で知ることができる道具でもある。
本機を使いながら本を読んだり、アイデアを練っているとスマートフォンの画面に目を落とす機会が激減する。なぜなら、画面を見なくとも、誰からどんなメッセージが入っているかを知ることができるからだ。同じ理由で、駅での電車乗り換え時などに新着メッセージのチェックをいちいち行うなどの癖もなくなり、他のことに集中したり、リラックスして周囲の状況に注意を払えるようになる。
こうした素晴らしい特徴を生かすためにも、最低でも再充電なしに8時間程度のバッテリー持続時間は欲しいところだ(なお、筆者が実際に利用したところ連続で5時間ほど利用できた)。
次にAssistant for Xperiaは音声の認識率はいいのだが、機能が極めて限定的だ。LINE対応やClova連携機能、radiko連携機能など日本向けの対応が行われており、グーグルのアシスタンスサービス(iPhoneの場合はSiri)を呼び出せるのだから、本格的な音声操作はそれらを経由して行えばよいという意見もあるだろう。
しかし、radikoに対応している……というのなら、Xperia Ear Duo単体でradikoの選局ぐらいはしてほしい。
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