しかしながら、Xperia Ear Duoの本質はそこではない。“最高に快適”に聴覚を通じたコミュニケーションをもたらす、まったく新しい感覚のデバイスなのだ。
装着して音楽を聞いていても、周囲の音はそのまま聞こえてくる。街中を歩いているなら、装着していないときと同じぐらい周囲の状況を詳細に感じられる。好きな音楽をバックグラウンドに流しながら、友人から話しかけられれば、そのまま会話を続けることができる。かつて、このようなデバイスがあっただろうか。
こうしてXperia Ear Duoで音楽を聞きながら原稿を書いている間にも、キーボードを打鍵する際のパタパタというノイズがそのまま耳に飛び込んでくる。
まるで喫茶店の店内に流れる音楽やラジオと同じように、いつもの生活の中に自然に音だけが漂っている感触だ。この感覚は、他のあらゆるオーディオレシーバでも味わったことがなく、イヤホンやヘッドフォンというカテゴリに縛られない。
しかも、これだけ軽快、開放的な装着感でありながら、Xperia Ear Duoを適切な音量で使っている限り音漏れが少ない。静かな部屋ですぐとなりにいれば、何かの音が出ていることはわかるが、少しでもざわついた環境ならば、ほとんどの場合、気づかれもしないだろう。いわゆる、“シャカシャカ音”は気にしなくていい。
軽快さと安定性を両立
本体を下側から耳の裏に通し、音導管がぐるりと耳たぶを迂回する形で耳に引っ掛ける本機の装着方法は、慣れるまでなかなかスムーズに装着できないかもしれない。しかし、その装着感の軽快さは、見た目よりもさらに軽い。バッテリー持続時間は連続再生4時間だが、4時間、バッテリーが切れてしまうまで使い続けても、違和感を覚えることはない。
しかし、驚くべきはその安定性だ。
初めて装着したときにはあまりに開放的で装着している感触が薄いため、落ちてしまわないか不安になったものだが、左右独立型のワイヤレスイヤホンの中ではトップクラスの安定性がある。
本機を装着してジムでトレーニングやストレッチを行ってみたが、寝っ転がっても身体をねじってもまったく問題ない。たとえば、ランニング用イヤホンなどは、着地時に下向きにかかる衝撃を利用して外れにくい構造にしているが、寝っ転がってストレッチをしていると外れやすい。
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