血となり肉となるスキルをつけるには?

『迷ったらどっちもやれ!』

大企業に行くことは大きな価値

:逆に大企業に行っておいてよかったと思うことはありますか?

閑歳孝子 株式会社 Zaim 代表。 1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、日経BP社に入社。その後Web系ベンチャーに転職。さらに友人とWebアクセス解析ツールを開発する会社の立ち上げに参画。在職中に個人で家計簿を楽しく続けられるiPhoneアプリ「Zaim」をリリースし、2012年9月に株式会社Zaimを設立。

閑歳:日経BPにいたときは、本当にいろいろな人に会えました。企業の事業責任者や社長に取材していく中で、それぞれの会社がどういう仕組みで回っているかとか、業界がどういうパワーバランスでできているかということを、外側からではありますが学べました。あとは若いうちから社会的地位の高い人とほぼマンツーマンで話す機会が多かったので、肝が据わったのはよかったですね。誰が出てきても、そんなにドキっとしなくなりました。

:なるほど。大企業に行くべきか、自分のやりたいことをやってみるか迷っていたら、閑歳さんならどうアドバイスをしますか?

閑歳:大企業に行きなさいよって言いますね。

:えー、そうなんですか! 今回もグノシーの福島くんに続いて連載のテーマが覆る(笑)。この対談、「大企業よりスタートアップ」っていうテーマですよ!

閑歳:うーん、でもやっぱり、自分の場合は日経BPでしたけれど、先輩や同期はめちゃくちゃ優秀でしたよ。取材先も含め、大企業って、やっぱり優秀な人たちが多かったです。そもそも大企業かスタートアップかって、両極端すぎる(笑)。中小企業でも大企業でも、何かをやるときに、一般的な会社はどう稟議を通しているのか、どういう手順が必要なのかということを知っておくこともすごく大事だと思います。いきなりスタートアップに行ってしまうと、BtoBのビジネスをしたときに、お客さんの会社の中身がどうなっているかと想像しにくかったりしないんでしょうか。もし大企業に入れるのならば入っちゃって、そこで仕事が楽しかったり、やりがいが見つかったりしたら、それはすごく幸せなことですよね。そのままいたらいいと思います。無理にスタートアップをやることがよいとはまったく考えていません。そもそも私も学生のとき、企業の中がどうなっているのかなんてまったくイメージできてなかったですし……。

:確かに。一方で今、大企業でもずっと安定しているわけじゃないとか、将来が不安だとか、若い人からそういう声を聞きます。いつの時代でも「売り手でいられるスキル」ってなんでしょうね。キャリアパスにおいて持つべき視点や資質って何だと思います?

閑歳:多分、どんな環境にいても不安は残るのではないでしょうか。ひとつ言えるのは、どこでも使える、応用できる能力を身に付けて、それを外部にいつでも証明できる状態になっているといいですね。ひとつの会社でしか通じないスキルを伸ばしてももったいない。あとは抽象的ですが、楽しんで仕事をしている人、真剣に何かを成し遂げようとしている人は、年齢がいくつになっても周りが放っておかないのではないでしょうか。

でも正直言うと……、私自身はキャリアパスってあまり興味がなくなってきています(笑)。

:自分の武器は何かって考えるのは、無意味だってことですか?

閑歳:というより、これ参考にならないかもしれない話ですが……、結婚したのが大きかったですね。

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