血となり肉となるスキルをつけるには? 『迷ったらどっちもやれ!』

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IT・ネットの業界に限らず、若くて元気な起業家達が、「スタートアッパー」として世間で注目を集めている。この流れを象徴するひとりが、仲暁子氏だ。ゴールドマン・サックスに入社した後、Facebook Japanに初期メンバーとして参加。その後、Facebookを活用したソーシャルリクルーティングサービス『Wantedly』を展開。大企業→スタートアップとキャリアを進めた仲氏が注目のスタートアッパーと対談するのが本連載。彼らはどのような価値観を持って、起業へと踏み切ったのだろうか。知られていないホンネを探る。
3人目は、株式会社Zaim代表を務める閑歳孝子さん。個人で開発した家計簿アプリ「Zaim」が人気を集め、2012年9月には株式会社Zaimを設立。WEBでもサービスを開始し、オンライン家計簿サービスの可能性を広げている。いち早くネットの魅力に気づき、学生時代から新しいサービスを作ってきた一方で、記者をはじめさまざまな職種を経て、起業に至った閑歳さんから、キャリアチェンジのあり方を探った。

対談の前篇――「フェイスブックより早い学内SNSって??」はこちら

想定不可能なことをやるから楽しい

:転職するとき悩むとおっしゃっていましたが、何がいちばんのきっかけになるのですか。

閑歳:「勘」ですね! 何か迷ったときに、「これは誤った選択だな」と何となく感じることがあります。「あのときこうしなければよかった」と後悔しそうなことを感じるんです。実は会社員になった後、大学院に戻ろうかと考えたこともありました。技術を学ぶためにしっかり研究しようかと思ったのです。でも何かしっくりこない感覚がありました。逆に正解を選ぶときは、「これだ!」と感じることが多いですね。もちろんすごく調べるし、いろいろな方向から考えることも怠りませんが、最終的には虫の知らせを信じることにしています。

:勘ですか……、伝わるかな(笑)。なにかその勘のポイントってありますか?

閑歳:「見えない方向にアンテナを張る」というのがひとつのポイントでしょうか。「想定できることをやる」のはつまらない。わかっていることをなぞるのは、やってもやらなくても同じではないかと思ってしまいます。想定できない、どうなるかわからないことのほうが、やる意味があると感じています。私、安定した環境に置かれると、本当にこのままでいいのか? と不安になってしまうみたいです。

:逆張り志向だ(笑)。逆張り志向は昔からですか?

閑歳:ちゃんと意識して「逆張り」をするようになったのは、社会人になってからかな。

私、小学校の頃から異様に通信に興味があったんです。でも、「通信が大好き」なのが変わっていると気づいたのは、だいぶ後のことでした(笑)。

:それは親の影響ですか。

閑歳:そうでもないのです。両親は本当にそういったことに興味なかったし、姉は少年隊とか光GENJIのカセットテープを持っているような普通の家庭でした。でも私だけ、家のワープロに電話線をつないで通信の実験するような子どもでした。今、振り返ると、子どものときから少し浮いていたと思います。ですが、それに気がつかなくて、周りの皆と同じように、自分も普通に長く会社に勤められるのだろうと思っていました。結局、それはかないませんでしたが(笑)。

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