提案がヘタな人は相手の喜びをわかってない クールで合理的な側面だけで完結しない

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まずは視点1の「相手のことを徹底的に知ること」から解説しましょう。これは大きく分けると「ゴールを設定する」と「正確な情報を数多く集める」という2つのステップで進めます。

提案するにあたって、「相手のことを徹底的に調べる」のは基本中の基本です。ただ、何を調べればいいのでしょうか? もちろん、会社の状況のみならず、提案相手が個人的に興味・関心を持っている事項を調べ、話題を合わせるといった、地道な活動は当然ながら重要です。その中でも、「何のために調べるのか?」と問われれば、私は「相手が直面している問題の本質をつかむため」と答えます。

たとえば、提案相手の担当者が考えているゴールが、本来、先方の会社が目指したいこととずれている場合、客観的な立場だと意外とそれを発見できたりします。というのも、どんなに仕事ができる人でも、どうしても「日々接している問題や状況」に思考や感情が引っ張られがちだからです。

そうした中でゴール設定をしても、なかなかうまくいきません。そして、ゴール設定が間違っていれば、そもそも捉えている「課題」もずれている可能性があります。つまり、そのまま課題解決に取り組んでも、(すべてがムダとはならないでしょうが)骨折り損になる可能性が高いのです。これは、提案する側であるわれわれの「介在する価値」がある状況とも言えます。

「2つのゴール」を考えてみる

そもそも、提案したい相手が言っている「目指したいこと」=ゴールには、それが達成されたことで、さらに達成される「より大きなゴール」があるはずです。それは、全社経営戦略や会社のミッションなどから規定されているものかもしれません。「より大きなゴール」から逆算したときに、いま目指そうとしている「小さなゴール」は、本当に目指すべき「経過地点」なのかを考えるのが重要だということです。

とはいえ、ビジネス経験豊富な方ならまだしも、逆算して「経過地点」を設定することは、そう簡単にはできません。では、具体的にどうしたらよいのでしょうか?

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