みんなはできているのになぜ自分は仕事ができないか
西岡さんは子どもの頃、忘れ物が多かったり、話をまとめるのが苦手で友達からは「何と言っているのかわからない」と言われたりすることもあった。しかし、発達障害の症状で本格的に困り始めたのは、介護福祉士として就職してからだった。
「身体介護は特に問題ないのですが、書類仕事がとにかく苦手なんです。行事の起案や研修の報告書などの提出期限を守れなかったり、提出できたとしても記入漏れや誤字脱字などのミスが多かったり……。早めに出そうと頑張るのですが、どうしても遅れてしまいます。パソコンや机に向かってもほかのことが頭に浮かんだり、雑音が気になったりして作業が進みません。専門学校時代も、実習の日誌を集中して書けなかったので、提出が遅れることが多かったです」(西岡さん)
専門学校卒業後、現在の職場に就職した西岡さん。介護の現場は離職率が高いと言われるが、幸い西岡さんの職場は職場環境が整っており、離職率が低いという。また、発達障害の人は何度も転職を重ねるケースも多いが、西岡さんは21歳のときから今の職場にずっと勤めている。しかし、勤務年数とともに任せられる仕事が増え、新人指導なども課せられるようになった。
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