丁寧に説明すればわかってくれる、という誤解 男・清水のメッセージは、なぜ強いのか? 

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マーケティング理論、競争戦略をストーリー仕立てでわかりやすく学べる50万部突破!の人気シリーズ完結編『100円のコーラを1000円で売る方法3』(永井孝尚、中経出版)。第3巻の舞台は外資系大手の参入で混乱する国内市場。グローバル時代の企業の生き残りがテーマである。
ここでは、日本アイ・ビー・エムに30年間勤務してきた筆者のビジネス経験を基に、本書では語られなかったグローバルコミュニケーションのエッセンスについて紹介する。

丁寧に説明すればわかってくれる、という誤解

「いいアイデアなのに、なんでわかってくれないのだろう?」

外国人とのやり取りで、このようなジレンマを感じたことはないだろうか。

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言葉や文化のカベが邪魔をしているのか。だとしたら、もっと丁寧に説明すれば、理解してもらえるのではないか。そう考えて、根拠となるような事実やデータをかき集め、一生懸命ロジックを組み立てて説明するのだが、ますます伝わらなくて途方に暮れる……。

私にも経験がある。私はネイティブでないし、英語に苦手意識もあった。だから、言葉の切れ味で勝負することはできない。むしろ、自分がその結論に至った経緯も含めて、しっかり記述すべきだと考えた。情報量は多いほどよいはずだ。その結果、いつしか私のメールや長文に、プレゼン資料は詳細になり、誰にも見向きをされなくなった。

相手も忙しいビジネスパーソンだ。メッセージが長いと、そもそも読もうとしない。仮に読んでもなかなか理解できない。だから相手は動かない。

残念ながらこのアプローチでは、相手が外国人の場合、伝わる可能性は限りなくゼロに近い。同じ日本人同士であっても、過剰な丁寧さは相手の時間を占有してしまう。避けたほうがよいだろう。

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