"ダメな会議"症候群を脱するには? 真のPDCAサイクルを修得せよ

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マーケティング理論、競争戦略をストーリー仕立てでわかりやすく学べる50万部突破の人気シリーズ完結編『100円のコーラを1000円で売る方法3』(永井孝尚、中経出版)が6月10日に刊行された。第3巻の舞台は外資系大手の参入で混乱する国内市場。グローバル時代の企業の生き残りがテーマである。
ここでは、日本アイ・ビー・エムに30年間勤務してきた筆者のビジネス経験を基に、本書では語られなかったグローバルコミュニケーションのエッセンスについて紹介する。

何回会議をやっても何も進展しない日本のカイシャ

「会社の会議はムダばかり」という嘆きがあちこちから聞こえてくる。「会議が多くて仕事ができない」と不満を持つ人が多いのは、会議が(価値を生み出す)仕事だと認識されていないからである。何の価値も生まないなら、いっそのこと、その会議を廃止することを真剣に検討したほうがいい。ホウレンソウ(報告・連絡・相談)や進捗の確認だけなら、今は便利なツールがたくさんある。

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そもそも会議は何のためにあるのだろうか。もし、あなたが「会議の目的=その場にいる全員の合意を確認すること」だと考えているとしたら、それは大きな誤解である。会議の目的は、参加メンバー全員のコンセンサスを得ることではない。次につながる意思決定をすることだ。その決定が組織を動かす。

『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ第2巻の冒頭で、主人公・宮前久美は社長のプリンス駒沢から全社タスクのリーダーに任命される。売れ行きが急激に落ちた新商品《社長の会計》のテコ入れを図るためだ。営業、技術、開発のトップが参加するタスク会議に向けて久美が打ち出した方針はこれだ。

「まずはコンセンサスを得るために、徹底的に意見を出してもらうわ」(第2巻29ページ)。

ところが、第1回目の全社タスク会議は荒れた。営業本部長、技術部長、開発部長がそれぞれ持論を展開し、3時間延々と責任のなすりつけ合いが続いたが、結論は持ち越し。久美たちの商品企画部が業績悪化の犯人に仕立て上げられただけで終わった。

その後も全社タスク会議は繰り返し開催されたが、参加メンバーから出てくるのは、相変わらず他部署を攻める発言ばかり。何の成果も生み出さないまま、時間だけが過ぎていった。

事態が動き出したのは、日本式のやり方に疑問を抱いたタスクチーム唯一の中国人・ロンロンの発言がきっかけだった。

「何でこんなに議論や計画に時間をかけるんですか? とりあえず、やれることからやってみればいいじゃないですか?」(第2巻53ページ)。

そうなのだ。会議の目的を「全員の合意を得ること」に置いてしまうと、まずはみなさんの意見を聞いてみて、誰もが納得できる落としどころを探って、それをもって結論としましょう、という根回し型のアプローチになってしまう。それで合意できればいいが、できない場合は次回に先送りして、下手をすると永遠に結論が出ない。時間ばかりかかって行動に移るための意思決定ができないのでは、いったい何のための会議なのかわからない。

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