丁寧に説明すればわかってくれる、という誤解

男・清水のメッセージは、なぜ強いのか? 

1~2行のメールで議論するシニア・エグゼクティブ

私がグローバルコミュニケーションに「シンプルさ」「ロジック」「パッション」の3つが欠かせないと悟ったのは、IBMのシニア・エグゼクティブがやり取りするメールを見るようになってからだ。

経営層にいる多忙なシニア・エグゼクティブたちは、長いメールはほとんど書かない。1~2行の短いメールのやり取りで話が進んでいく。「こうあるべき」「こうしたい」という強いパッションがあり、それを数字とロジックで裏づけ、コンパクトにまとめているのである。だから、言葉にキレがある。

たとえばこんな感じだ。

「2ケタ成長のxxx市場は最重点投資分野だ。昨年比で案件も倍増だ。しかし予算は50%カット。受け入れ難い。至急、予算を見直してほしい」

それに対する回答は、こんな感じだ。

「全体予算に余裕はない現状だが、必要性は理解した。その証しとして10%増額は確約しよう。来週中にさらなる見直し案をまとめる。議論しよう」

これらのメールのやり取りから学ぶものは多かった。最初に「こうあるべき」「こうしたい」という強い気持ちがなければ、そもそも相手に伝わらない。その部分を抜きにして、いくら「シンプルさ」だ、「ロジック」だと騒いでも、人を動かすことはできないのだ。

このように、1~2行のメールでまとめるのは、実は簡単なことではない。
『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(カーマイン・ガロ著、日経BP社)には、アインシュタインの言葉として、次の文章が引かれている。

「簡にして要の説明ができないのは、十分に理解できていないからだ」

もし「パッション」と「ロジック」を込めた「シンプル」な説明ができていないとしたら、できない理由を一度、冷静に考えてみてはどうだろうか?

もしかすると、自分ではわかったつもりになっているだけで、実は、自分が状況を十分に理解していないかもしれないのだ。

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