ジョークを通じて見えてくる対日観
――ジョーク集が人気です。
自身第1作の『世界の日本人ジョーク集』を出版したのが2006年。これは版を重ねて78万部出ている。今回のはいわばその続々編。ほかにもジョーク集をいくつか書いていて、シリーズ累計は100万部を超えた。世界で楽しまれているジョークがどのように変わったか、変わってないのか。ジョークを通じて海外の人たちが日本をどう見ているか、対日観の変化も見ていこうとしてきた。
──どう収集するのですか。
もともと本業のノンフィクション作家として世界のあちこちに取材に行く。取材中にその国で楽しまれている笑い話を集めることが好きで、ずっとやってきた。さかのぼれば2001~2002年に、東欧のルーマニアに2年間暮らしたことで弾みがついた。首都ブカレストのマンホールに住む「チャウシェスクの子供たち」の取材を移住して2年間した。そのときにルーマニアにはすごくたくさんの笑い話があると知った。
ルーマニア語でジョークをバンクという。ジョークはロシア語で滑稽な小話全般を指すアネクドートが知られているが、共産主義体制下で政権批判ができない中、それを風刺にして楽しむ文化がロシアや東欧にあって、集め出したのがきっかけだった。足を延ばしたサダム・フセイン時代のイラクには白昼絶対言えないジョークが実はあふれており、またイスラエルやパレスチナでも笑い話で互いに風刺し合ったりしていた。
──主に英語ですか。
一応、どこでもお酒を飲みながら、おまえの国のジョークを教えてくれと英語でお願いすれば、変わった日本人がいるもんだと逆に興味を示し、手ぶりも交えて教えてくれる。そして教えてくれる中に、日本人がちょこちょこ出てくる。そこに彼らが思っている日本人に対するイメージが反映されている。それを集めた。
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