佐々木俊尚「恥の多い人生こそかっこいい」 ナイキ創業者の失敗談が教えてくれること
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発売たちまち17万部を突破、「2017年最高の書」との高い評価が飛び出した『シュードッグ』。ジャーナリストとして名高い佐々木俊尚氏は、本書をどのように読んだのか(撮影:尾形文繁)
ナイキ創業者フィル・ナイトによる自伝『SHOE DOG(シュードッグ)』。本書の読みどころを、ジャーナリストである佐々木俊尚氏に聞いた。
「成功への教訓」はうさんくさい
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「SHOE DOG」特設サイトはこちら
『シュードッグ』を読んで最初に感じた印象は、こんなハチャメチャでよく成功したなあ、ということ。ナイキといえば、世界的なスポーツ用品メーカー。本書にも、マイケル・ジョーダンなどの著名人がたくさん出てきて、華やかなセレブの世界が描かれているのだと最初は思いました。ところがそんな話はまったくない。
よくこれだけリアルで生々しい失敗談が書けるなあと思うほど、失敗の話があふれている。もちろん最終的に成功したからこそ書けるわけだけど、普通、成功した人は自慢したがりますよね。この本にはそんな自慢が何一つないのが面白い。むしろ泥臭い。もしかしたら、ビジネス書や自己啓発書の流れを変える記念碑的な作品になるんじゃないかと思いました。
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