命がけで描いた、シベリア抑留体験
シベリア抑留体験を持つ久永強は、メッセージを伝えるためにキャンバスに向かった。クラシックカメラの修理の名人だった彼は、シベリア抑留をテーマにした画家の香月泰男の展覧会を見てショックを受ける。家族にもほとんど語ることのなかった抑留体験がよみがえった。
「自分のシベリアを残さなくてはと、寝食を忘れ、骨身を削るようにして描きました。作品が43点になったとき、肺炎で倒れてしまいます。絵として評価されたくて制作したのではありません。自分が伝えなければという、死んでいった戦友たちへの強い思いから、命をかけて描いた絵なのです」と遠藤さんは話す。
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