「海賊と呼ばれた男」も愛した、迫力の名画

モローとルオー、時空を超えた師弟関係

宗教的なテーマを重厚な筆致で描いたフランスの画家、ジョルジュ・ルオー(1871~1958年)は、昔から日本人に親しまれてきた。出光興産の創業者である出光佐三氏はルオーの作品を蒐集し、そのコレクションは出光美術館で常時数点、展示されている。

パナソニック 汐留ミュージアムにも常設のルオーギャラリーがある。もともとこの美術館はルオー作品を公開するために創設された。現在、ルオーと、彼の師匠であるギュスターヴ・モロー(1826~1898年)の関係を探る展覧会が開かれている。

ジョルジュ・ルオー『我らがジャンヌ』
1948~1949年 個人蔵 パリ 馬に乗るジャンヌ・ダルク。月の光に照らされているように見える

神々たちの嫉妬

9月6日の内覧会では、日本側の監修者である、西南学院大学の後藤新治教授がギャラリートークを行なった。以下、その内容を紹介する。

モローとルオーはパリの国立美術学校(エコール・デ・ボザール)で出会った。日本でいえば東京藝術大学のようなところだから、教授陣には著名な芸術家が名を連ね、入学も難しかった。14歳からステンドグラスの職人に弟子入りしていたルオーは、19歳で入学し、21歳のとき、モロー先生のアトリエに入った。

モローは学生からの信頼が厚く、アトリエには100人もの学生が属していた。マルケ、マティスなど、のちに活躍する画家たちを育てている。

モロー自身はギリシャ・ローマ神話や聖書に題材を採った歴史画、物語絵画を描いた。『ユピテルとセメレ』もその1枚だ。神々の王であるユピテルは、いろいろな女性と関係を持った。膝の上に乗っているセメレとの間に子供ができ、ユピテルの妻のユノーは嫉妬する。

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