瀬戸内寂聴は29歳おちゃめ秘書が支えている

寝起きに下着を見せて「かわいいでしょ?」

――寂聴先生は、まなほさんと初めてお会いになったときどう思いました?

瀬戸内寂聴(以下、寂聴):かわいい人だなと。でも、やっぱりちょっと変わってると思いました。「私の本を読んだことある?」って聞いたら「ない」って。私のこと知らなかったのね、全く(笑)。

でも、大体うちで働きたいって人は、みんな私のことを知った上で来るでしょ?それが全く知らないからね、面白かったですよ。文学少女じゃないって感じで。

文学少女っていうのは、身の回りを頼む秘書としては一番駄目なのよ。お掃除も、料理も下手だし……。文学少女は全部断ったの。申し込みには随分来ましたよ。でも、文学少女じゃないってことだけで◎だったのよ。

――寂聴先生っていうと、「大作家の先生」「悩める人と向き合う尼僧」というイメ―ジが強い。でも、プライベートでは人間らしいエピソードが豊富だそうで。

“目玉焼きは、黄身しか食べない。贅沢な食べ方をするので、「あー、またそういう食べ方をしている。だめ、白身も食べてください」と食べ終わるまで見張る。
野菜も色々食べてほしいと、先生が嫌いな人参は細かく刻んでおみそ汁や、サラダに紛れ込ませる。でも器用に皿の横によけてしまう。子どもみたいだ。
「人参、残してる!!」
と突っ込むと、
「え。これはちょっと」
とばつが悪そうな顔をする。豆は大好きなのに、人参はいつまでたってもすきになれないみたい。”
――瀬尾まなほ『おちゃめに100歳!寂聴さん』より

まなほ:そうですね。結構、料理が下手だとか、いろいろと好き勝手言われてます(笑)。

寂聴:まなほは、自分で「料理がうまい」と思ってるの(笑)。

まなほ:先生は自分のほうがうまいと思っていて。お互い自分のほうが、料理上手だと思ってる。でも、先生の料理を食べたことある人で、存命中の方はもういないんじゃないかな(笑)。

66歳差の絆を育んだ「手紙」

文章だったら読んでもらえるだろうと思って手紙を書くようにしています(写真:KEI YOSHIKAWA/HUFFPOST JAPAN)

――まなほさんは、寂聴先生と意志の疎通がうまくいかない時、誤解が生まれた時に、よくお手紙を書くようですね。

まなほ:やっぱり話していても、年齢もあって耳が悪いので、話がうまくかみ合わないときもあります。口で伝えても忘れられることや、うまく伝わらない可能性もありますから。

でも、やっぱり先生は小説家なので、「文章読めば全部分かってもらえるだろう」って思った。忙しいときでも、文章だったら読んでもらえるだろうと思って、その方法を取ることにしたんです。

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