瀬戸内寂聴は29歳おちゃめ秘書が支えている 寝起きに下着を見せて「かわいいでしょ?」
――そういうことだったんですね。
まなほ:病院の先生も最初はちゃんと尊重してくれるんですけど……。面倒くさいから聞こえたふりをして、全く分かってないんですよね。
寂聴:小説家だからね、大体想像できるじゃない。
まなほ:ほら、そういうときだけ作家になって……。
寂聴:大体当たってるのよ?
守りたい「誰か」が、生きがいになる
――66歳の年の差を感じさせない掛け合いですね(笑)。まなほさんにとって、寂聴先生ってどういう存在ですか?
まなほ:守りたい、喜ばせたい、褒めてもらいたい……そういう存在だと思います。
誰にとっても大切な人っていると思うんですよ。その人を喜ばせたいとか、笑わせたいとか、傷付けたくないとか、悲しませたくない。
そういう「誰か」を持つことって、自分の生きる指針や生きがいになるんだなあと思いました。
物事を好き勝手に言うところや人間らしいところ。私は、それが先生の魅力だと思っているし、マイナスなことではないと思います。一緒にいて楽しい理由でもあります。
「寂聴さんって、意外とおちゃめな人なんだ」「こんなかわいらしい人なんだ」と、小説からは見えない「新しい寂聴さん」も知ってもらえたら嬉しいなと思います。
寂聴:それは欲張り。そんなこと誰も思わないわよ(笑)。
――ありがとうございました。それにしても寂聴先生、95歳とは思えない話しぶり。おしゃべり、お好きなんですね。
まなほ:多分、死んでも口だけ動いてるんじゃないかなと思います(笑)。ある時、先生が長電話をしていて、「誰ですか?」って聞いたら「知らない」って言うんですよ(笑)。「え?知らない人としゃべってたの」って、びっくりしました。