いつまでも「若々しい」人はドコが違うのか 中曽根元首相に茂木健一郎氏が聞いた秘訣
社会的地位の高い人の中でも、年を重ねても若々しく、かつ周囲の尊敬を集め続ける人と、そうでない人がいるのはなぜなのか。6月12日に新刊『ありったけの春』を上梓し、幼少期のエピソードや記憶についてつづった脳科学者の茂木健一郎氏。茂木氏は以前、中曽根康弘元首相に会った時に、日常の習慣や姿勢について聞き、人が若々しくあるために必要なのは「何でも自分でやること」だと気づきます。
中曽根元首相の「なんでも自分でやる」エピソード
講演会などで、ときどき冗談めかして言うのだが、実は本当のことがある。
自分で何でもしなくちゃ駄目ですよ。細かい手作業こそが、脳のアンチエイジングにとっては大事。だから、炊事や掃除などの家事は、積極的にやった方がいい。
中曽根康弘元首相にお目にかかってお話したときのこと。
すでに九十を過ぎていらして、それでもお元気。論理も明晰で、記憶もしっかりしており、当時のどこか頼りない首相と交代した方がいいのではないかとさえ思われるほどだった。
中曽根さんは、細かいことまで全部自分でやっていた。若さを保つ一つの秘訣だろう。たとえば、中曽根さんに著書をお送りすると、自らお礼のハガキを書いているのだという。中曽根さんほどの偉い方になると、秘書がみんなやってくれそうなものだが、それを敢えて自分でなさる。素晴らしいことだと思った。
何でも自分でやるという精神は、どうやら中曽根さんが「海軍」で受けた訓練にも関係しているらしい。自分のことは自分でやる。極めつけは、秘書の方に伺った話。
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