3段階ある「子どもが勉強しない」への対処法 原因を「ステージ」で分けると見えてくる

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まず初めに断っておかなければならないことは、「勉強ができるようになるためにはどうするかという問いに一言では答えられない」ということです。「一口に勉強できるようになる方法は?」といっても、百人百様です。背景が皆違うのですから。数ある方法の中で、自分にジャストミートする方法に出合うのは難しいものです。しかし、このような細かい方法に焦点を置かずに、勉強ができない原因をステージ(段階)という形で分けてみると意外とシンプルになっていることがわかります。

【勉強ができない子の第1ステージ】
勉強をそもそもできるようになりたいとは思っていない
→ 勉強自体に、価値を置いておらず、勉強は邪魔な存在として考えているケース
【勉強ができない子の第2ステージ】
勉強できるようになりたいと言っているが大して勉強していない
→ できるようになりたいと口では言っているが、そこまでやっていない。つまり「本気」になっていないケース
【勉強ができない子の第3ステージ】
勉強できるようになりたいと思って勉強しているが、伸びない
→ 勉強方法を知らないか、方法を間違えているケース

このように勉強ができない3つのステージというものがあります。そして、対応方法はそれぞれ異なります。ですから単純に塾へ行かせれば勉強ができるようになるわけではありません。

もちろん、たまたま相性のいい先生に出会い、カチッとスイッチが入ったということもあるかもしれませんが、そのような幸運を待っていても仕方ありません。それよりも具体的に、段階に応じた対応を取る必要があります。

3段階のステージと対処法がある

【第1ステージの子への対応方法】

いちばん対応が難しいのが、第1段階にいるケースです。根が浅ければいいですが、根が深いとかなり時間がかかります。多くの場合、過去に勉強で嫌な目に遭ったか、勉強できないことをインプットされた経験があるのがこのケースです。

この場合の代表的なアプローチは2つあります。1つは「できる学年の内容までさかのぼり、『できる感』を作り上げる直接的方法」であり、もう1つは「勉強以外の領域で自信をつけさせる間接的方法」です。つまり「目の前の勉強以外のことで自己肯定感を引き上げる」ことから入ります。この積み上げがなければ、勉強への意欲は出てきません。

【第2ステージの子への対応方法】

そして判断が難しいのが、この第2ステージです。子どもが口では「できるようになりたい」と言っても実際、行動が伴わない、口先だけという場合。このゾーンの子は非常にたくさんいます。5段階成績で言えば、オール3のボリュームゾーンの子がこのケースに当てはまることが多いです。

さらに、精神的に幼い子の場合は、勉強以外のことにすぐに興味が引かれてしまい、メリハリもつかず、勉強の時間はほとんどなくなります。往々にして、勉強については「つまらないもの」という程度にしか考えておらず、やらなければならないという認識はあるものの、勉強する意味をあまり感じていません。

このステージでは、後述する「本気にさせる手段」を取りますが、どうしても本気になれなければ、第1ステージの方法で対応します。本気になれば、次の第3ステージの対応を取ります。

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