3段階ある「子どもが勉強しない」への対処法 原因を「ステージ」で分けると見えてくる

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【第3ステージの子への対応方法】

第3ステージにいる子もさまざまで、オール3後半からオール4のゾーンの「そこそこできる子」の2つがあります。このそこそこできる子は勉強方法を教えてあげると、さらにできるようになります。このステージの子は勉強をある程度してはいます。ですからある程度点数は取れますが、ある程度で終わってしまいます。

前回記事(「考える力がない子」を変える3つの問いかけ)でもご紹介しましたが、「勉強しなさい」「覚えなさい」と言われても、その方法を教えてもらったことはありませんね。勉強内容を教えても、学び方を教えないというのでは、できないのも無理はありません。一部の方法を知っている子のみが得点するのも納得できます。塾へ行けば、成績が上がると思うかもしれませんが、最終的に成績が上がる子は自分なりの勉強方法のスタイルを確立している子です。やはり勉強方法を知っている子は圧倒的に強いのです。

さて、中田さんのお子さんは、質問内容からすると、第2ステージのケースだと想像しました。そのお話を具体的にしましょう。

このステージの子に対しては、いかに本気にさせるかということがテーマになります。ゲームより圧倒的につまらない勉強に対して、どのようにして本気にさせていけばいいのでしょうか。

「多少はやっている」子を本気にさせる仕掛けとは

『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

第2ステージの子は本気で勉強ができるようになりたいと思ってはいないものの、多少はやっています。ですから、まったく勉強しないわけではありません。親から言われて、多少はやります。しかし自主的にやっているわけではないので、大して点数が取れません。そこには、子どもを本気にさせる仕掛けが必要になります。仕掛けはいくつかあるのですが、ここでは1つ紹介しましょう。

【仕掛け】 現状の学力を「見える化」させて、その中でいちばん上がりそうな科目に焦点を当てる

中学校では、科目がたくさんあり、すべての科目の成績を一気に上げようとすると、第2ステージの子どもはやる気を失う可能性があります。そこで、1つに集中させます。できれば主要5教科のどれかがいいでしょうね。実技科目でもいいのですが、「親が求める勉強ができる」は主要5教科を指している場合が多いので、そのいずれかの科目で、「相対的」にできる教科を1つ取り上げ、その科目に全力投球させるのです。

1つの科目であれば、やってみようとなる可能性も高まりますし、また成果も出やすいのです。たとえ勉強方法を詳しく知らなくても、量である程度こなせば、今よりは点数が確実に上がります。すると、できる感覚が醸成され、多少のタイムラグはありますが、そのほかの教科に波及する可能性が高いのです。このような方法で一度試してみてください。きっと目に見える効果があると思います。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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