仕事のできない人は「5W1H」の本質を知らない シンプルな問いに落とし込む最強の思考法

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一方、AKB48の活動のベースは「毎日(When)、固定の劇場(Where)で公演すること」です。オタクの聖地、秋葉原に活動をフォーカスし、その駅前のドン・キホーテの8階に構える「AKB48劇場」という、自前の小さな劇場で、基本毎日パフォーマンスを行います。

つまり、「いつ、どんな過程をもって、活動するのか?(When)」「どこで、どんな場で、演じるのか?(Where)」。このシンプルな問いこそがユニークなコンセプトの発想起点と考えられます。

通常、新しくアイドルを世に送り出すときは、「キャラの中身や演じる楽曲、パフォーマンスなどの内容(What)」「宣伝手段や出演媒体などの方法(How)」で「売り」を作ることがほとんどですが、そこから大きく発想転換したことがAKB48の成功のカギといえるでしょう。

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さらには、「誰が顧客ターゲットなのか?(Who)」についても、大きく差別化しています。AKB48も今でこそ幅広い層に支持されていますが、当初はアキバに集う若者から中年までのアイドルオタクがターゲットでした。彼らの要求水準は非常に高く、一方で伝播力が強いニッチ層です。この点も従来の一般的なアイドルとは異なるところです。

「目の肥えたアイドルオタクというニッチ層(Who)」を当初のターゲットに据え、「顧客の顔が見える自前の小劇場(Where)」を中心に、「365日毎日(When)」ライブ活動やさまざまなイベントを行う発展途上のアイドル。

ファンの至近距離での反応やニーズを日常的に収集し、斬新な振り付けや楽曲の改善・創出につなげ、その成果をまたファンと分かち合うという、Who-Where-When三位一体での力強いフィードバックサイクルを回すことでしだいに実力をつけ、全国区進出を果たしたのです。

思考の枠組み、発想のテコとしての「5W1H」

このように、5W1Hという、シンプルな問いのレベルに落とし込むことにより、思考が整理され、本質的な違いが比較しやすくなります。さらに、対極的なアイデアを考えやすくなり、発想や視野を広げることにつながります。単に“行動プラン”を作るときだけでなく、創造的なアイデア発想の場面でも役に立つのです。

渡邉 光太郎 ランウィズ・パートナーズ代表

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わたなべ こうたろう / Koutaro Watanabe

東芝や大手シンクタンクを経て、MBA教育を手掛けるグロービスの企業研修部門の管理職として人材開発、組織変革のコンサルティング、講師活動などに携わる。現在はランウィズ・パートナーズの代表として、企業の事業戦略立案。・業務改革の伴走コンサルティング、講師、組織開発・組織文化改革のコンサルティングに従事するほか、フラワースタジオの経営なども行う。

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