仕事のできない人は「5W1H」の本質を知らない シンプルな問いに落とし込む最強の思考法

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ここでの本質的な違いを生み出すドライバーは、ショーの関係者とその関係性です。「誰が誰に何のために提供するか」。パリコレなど従来のショーが、主に「一流の服飾ブランドのデザイナー」が、「特定少数のファッションのプロ(バイヤーやマスメディア)」に、「作品を(無料で)発表する」ために行うのに対し、東京ガールズコレクションでは、主に「カジュアルブランドのクリエーター」が、「不特定多数の素人(広く10代後半から20代の女性)」に、「服を(有料で)販売する」目的で実施しているのです。

つまり、目的(Why)は、「服を紹介する」ではなく「服を商売する」になりますし、そのために、場所(Where)は、小規模の会場ではなくて大規模なスタジアムやアリーナになります。そして、ショーのやり方(How)も、静かなBGMの中でモデルのウォーキング(歩き)を中心に行うのではなく、若い女性に人気のあるタレントやタレント系モデルがマイクパフォーマンスや歌などを披露するライブ形式になり、ショーの様子を広く配信し、携帯サイトなどを通しても服を購入できるというスタイルになるわけです。

このように、5W1Hのいずれかの切り口で対極概念を意識して整理すると、本質的な違いがよく見えてきます。

「会いにいける国民的アイドル」AKB48の原点

そして最後に総まとめとして、AKB48のビジネスモデルについて考えていきます。日本の女性アイドルグループのトップを走るAKB48。2005年のデビュー以来10余年にわたり、その活躍は留まるところを知りません。

毎日劇場で公演し、成長の過程が見えるアイドル。総合プロデューサーの秋元康氏はさまざまなメディアでコンセプトを明かしています。これにこそ、実は従来のアイドルとは異なるエッセンスが凝縮されているのです。

それまでの普通のアイドルは、テレビなどマスメディアへの露出度を上げること、全国行脚(コンサートなど)で各地にファンを増やすことに力点を置きます。特定の“ハレ”の日に照準を合わせ、不特定の場所で活動するのがベースです。

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