続いて業種別の集計を紹介する。こちらは2015年度の障害者雇用率を開示している1129社が対象。全体の平均は1.86%で昨年の1.85%とほぼ同じだった。
業種によっても異なる障害者雇用率
社数が10社以上で業種別雇用率の平均値が高いのは、陸運業2.27%(21社)、ガラス・土石製品2.18%(11社)、銀行業2.08%(38社)、鉄鋼2.07%(15社)、小売業2.06%(83社)、機械2.05%(74社)、化学2.04%(97社)、食料品2.03%(52社)など。
一方で低い業種は、不動産業1.19%(21社)、倉庫・運輸関連業1.28%(10社)、証券・商品先物1.42%(13社)、情報・通信業1.49%(83社)、精密機器1.58%(12社)、卸売業1.62%(104社)などだった。
こうしたデータを見ると、「法定雇用率2.3%時代」を見据えて、多くの企業はすでに動き出していることがわかる。
今回のランキングでは対象外だが2.3%以上の企業は179社存在する。
2.2%以上も267社と各業種とも水準は上がっている(『CSR企業白書』2017年版には600位まで掲載)。そのようななかで比率が伸び悩んでいる会社は「世間から後れている」と危機感を持った方がよい。
「平成29年版障害者白書」の推計によると日本の障害者は身体障害者392.2万人、知的障害者74.1万人、精神障害者392.4万人。複数障害保有者を重複することになるが単純合計では858万人と国民の約7%が何らかの障害を持っている計算になる。こうした障害者の雇用面においては、さらに拡大が求められる。
障害者雇用の推進は、国や自治体からの助成金やサポートを受けながら社会全体で障害者の活躍の場を作ろうとするものだ。企業は障害者雇用を義務として捉えるのではなく、本業のビジネスで障害者を活用して利益を出す方法を考えることが求められている。法定雇用率はあくまでも最低ライン。それぞれの職場で知恵を出し、今後もさらなる雇用拡大を期待したい。
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