ゴルフを「おじさん」スポーツから変える発想 見た目の印象で若い世代からは縁遠い現状

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日本生産性本部が発表した2017年の「レジャー白書」で、2016年のゴルフ人口は前年から210万人減の550万人になったというゴルフ界にとっては衝撃的な数字が公表されたばかり。ゴルフ人口減少に歯止めをかけるために、「若い世代」にゴルフを始めてもらう工夫をしていかなければならない。そんなゴルフ界にとっては、選択とはいえ大学の体育授業でゴルフを始めてもらうのはありがたいことだ。そして、続けてもらうことも大事になる。

受賞した学生たちは、実際にゴルフ授業を受けた感想として「ゴルフは楽しい」「続けていきたい」と話していた。

20代、30代がゴルフをしない理由として「ウエアがダサい」「おじさんのスポーツ」など、見た目のイメージもよく挙げられる。

バッグ以外でも、デザインを工夫する余地は大きい

女性のウエアなどは従来のゴルフ用品メーカー以外にもブランドがでてきて、少し前よりはずっと華やかになってはいる。だが、キャディーバッグや帽子、グローブ、シューズなどはまだまだ「伝統的な」デザインのままだと感じられるだろう。

表彰式に出席した長澤忠徳学長は「これまでの産学協力によるこうしたコンペは、たいていは特定の学部、学科(からの参加)になってしまうが、今回は体育授業の履修者が受けたのでいろいろな学部、学科の学生が参加し、新しい切り口になった。アイデア、オリジナリティーといった美大生の頭の中を見てくれるコンペだったと思う。これが産学(連携)の在り方。これでゴルフが好きになるかもしれない」と話していた。

武蔵野美大では2013~15年で41の産官学のプロジェクトを実施してきたが、ゴルフに特化した企画は今回が初めてだった。

これまで、ゴルフでの大学との共同研究と言えば、スイングの解析とか、クラブの解析といったものは聞いたことがあった。クラブの形はなかなか変えられないだろうが、そのほかのゴルフ用品なら、デザインという領域で大学だけではなく専門学校なども含めて「若い人の発想力」を発揮してもらえる可能性がある。

「見た目の格好良さ」もゴルフを始める上で、大事な要素になるだろう。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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