モチーフを「若鮎、和菓子」とした皮製のバッグ、PUMAを意識してピューマが大地を走るイメージを青、緑、黄色で表したバッグ、ホログラム素材を用いて太陽の下で光を放つバッグ、懐かしいブロック崩しかインベーダーゲームをモチーフにしたようなドットをイメージしたデザインのバッグと次々にスクリーンに映し出され、学生が説明をするたびにうなってしまった。
一番、びっくりしたのが「巻物式キャディーバッグ」。建築学科の学生の作品で「最初に思ったのはバッグの内部の手入れはどうするのだろうということ」で、クラブ1本1本を入れる袋を着脱可能なファスナーでつないで、持ち運ぶときはくるくると丸める。
よく、工事関係者がドライバーやペンチなど工具を1本1本差し込める袋に入れて丸めて持っている、あんな感じだ。実際の使い勝手を考えても、ゴルフ場に行くときは14本、練習場に行くときは6本とか、これは便利そうだ。
ゴルフに使うには、ボールなどクラブ以外にも使うものがあるのでその収納も必要になってくるが、自由な発想、若い発想、しかもデザインなどを専門に勉強している上での発想にかかると、ゴルフのキャディーバッグでもいろいろできそうだ。
もっとデザインで冒険しても良いのでは?
そういえば、ゴルフのキャディーバッグのデザインは、筆者がゴルフを始めた30年ほど前に比べて、色づかいや素材は変わってきている。だが、全体的なデザインや形はほとんど変わっていない。たぶん、もっと前から変わっていないままだろう。
学生のデザインしたキャディーバッグを実際に製品化するとなると、価格などの問題も出てくるが、それでも「自分が持つなら、もっとおしゃれなキャディーバッグを使いたい」という若者たちの声が聞こえてきそうだ。
コンペを講演したプーマジャパンの土田祐三ゴルフ事業部長は「体育からゴルフに入ってくる学生に対して、プーマができることはないかということでコンペを実施した。どういうものを使いたいか、ゴルフ受講生ならではの発想を期待した」と説明。「ゴルフには車が必要だということや、あるいはウエアのデザインなどに対して、若い人がハードルを感じることがある。ゴルフ人口が減っていく中で、社会文化的に取り組んでいかないと、若い世代の参入につながらない」とも話した。
ちなみに、作品の著作権は学生にあるが、主催者の利用は許諾するとしている。製品化を目的にしたコンペではないが「今すぐ製品化したい」(土田氏)という作品もあるという。
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