日本人の「住まい」は5年後から大激変する 高嶺の花だった不動産が一気に身近に

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──事例も豊富に収録しています。

自宅の1階を夏だけかき氷店にしただけで、大行列ができるようになった人を知っている。アルバイトを雇い、かき氷がなんと1000円。SNSで情報が拡散して、住宅街の外れに大挙して客が来る。この盛況ぶりを受け近くにハワイアンアイスの店ができ、これまた繁盛。このほか旧子ども部屋を改造し民泊施設やコミュニティスペースとして提供するとか。家は自分の城であり、住むのに何千万円もかける、という従来の考え方ではない。となると、マンションではやりづらい。

活用は土地付き住宅のほうが有利だ

──規約などで縛られる……。

そういう意味でも、マンションは借りるものであって買うものではない。買う人は完全に投資と考え、5年後に売り抜ける。この概念で買うのがいい。ただし、家族のことをよく考えなければいけないし、5年後に値上がりする物件の選別も難しく、かなりのリスクがある。活用は土地付き住宅のほうが圧倒的に有利。いろいろな活用法があって楽しい。

──かつネットを活用する。

宣伝ばかりではない。今や予約がスマートフォンでできてしまう。それだけ参入障壁は低い。自宅や不動産はそれぞれのライフステージに合わせて住む、そして活用する時代になっている。

マイホーム価値革命―2022年、「不動産」の常識が変わる (NHK出版新書 519)(NHK出版/224ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

──マンションを買った人は?

今はちょっと厳しいが、早く売ったほうがいい。本当は一昨年がよかったが、10年以内に時期を見計らって売る。もともとずっと住むとしても必ず難題に直面する。建物の老朽化と住人の高齢化だ。ヴィンテージマンションなら、古ければ古いなりに価値があると見てくれるが、その数は少ない。

──湾岸のタワーマンションは。

土地に歴史ありだ。どこも天変地異を食らっているから、生活の知恵として高台に住む。その要素もあって地価が形成される。湾岸は現代の土木技術の粋を集めて埋め立て補強しただけであり、人間の力で自然を制することなどできない。短期で持つのはいいが、長期保有する資産ではない。資産ではなくてまさに投資商品だ。

元来「マイホーム」が資産とは、自分の親の世代を見れば誰も考えないだろう。

塚田 紀史 東洋経済 記者

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つかだ のりふみ / Norifumi Tsukada

電気機器、金属製品などの業界を担当

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