立地最強の「湾岸タワマン」が抱える不安要素

多摩ニュータウンの惨状から学ぶ対策とは?

発展を続ける東京の湾岸地区。30年後は、はたしてどうなるだろうか?(撮影:ヒダキトモコ)

30代を中心とした若い世代に根強い人気を誇る、豊洲、勝どきといった都心の湾岸地区。大型の複合施設も続々とオープンし、タワーマンションが林立するその姿は活気に満ち始めている。しかし、人気の裏返しでもあるのか、将来に対する懐疑的な見方も多い。メディアで「湾岸タワーマンションは暴落する!」といったネガティブな論調はよく見る光景だ。人口構造の類似性から、高齢化が進行して建物も老朽化すれば、現在の多摩ニュータウンのようなゴーストタウンになってしまうのではないかと予測する向きもある。

オフィス街へのアクセスの良さは大きな価値

湾岸地区の30年後は、はたしてどうなるだろうか。結論から言うと、筆者は悲観的には考えていない。そもそも、立地が大きく異なる湾岸地区と多摩ニュータウンを単純に比較すること自体、ナンセンスだ。不動産の価値は、1にも2にも3にも、ロケーションで決まる。

多摩ニュータウンは典型的な郊外ベッドタウンで、都心までドアツードアで1時間以上かかる。ライフスタイルの変化、女性の社会進出によって、若い世代では共働きが当然のスタイルになってきている。子どもを持ち、夫婦で働いているのに、2人でラッシュの電車に乗り、時間をかけて会社に通うということは、もはや想像できない人が多くなっているのは明らかだ。

一方、湾岸地区は丸の内や大手町、銀座、日本橋といったオフィス街の中心地に近接している。むろん、交通網は今後一層の整備が待たれるが、「職住近接」が重要な要素になっている現代では、都心へのこの距離感は何物にも代えがたい価値なのである。三菱村と呼ばれる丸の内、三井村と称される日本橋を中心とした周辺オフィス街がどこか別の地域に遷移していく、あるいは銀座が現在の魅力を失うといったことになれば別だが、こうした地区ではオフィスビルやホテル、デパートなど、現在も旺盛な開発が行われており盤石だろう。

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