なぜ金融緩和しても低インフレのままなのか 日銀は過去の金融政策に対する認識を示せ

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筆者は「日銀は今までの金融政策に対する認識を明らかにすべきだ」と主張する(写真:尾形文繁)

なぜ景気回復を実感できないのか

4月10日のコラム「『人余り』が解消、いよいよ賃金は上昇局面へ」では、「失業率が2%台に低下し余剰感が解消されつつある日本経済の正常化には、黒田東彦総裁率いる日本銀行が行ってきた金融緩和政策が大きな役割を果たしている」との筆者の認識を述べた。

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金融政策の効果についてはさまざまな議論があるが、通常、総需要が不足する状況では、金融緩和策が総需要を押し上げる。そして、雇用を創出し失業を減らすことで、労働市場の需給改善が起きるわけだが、これは基本的な経済理論が教えていることである。

安倍晋三政権が発足当初に、金融緩和を「第一の矢」に掲げたのは、妥当な経済政策に対する認識を持っていたからであるが、逆に言えば2012年までの当時の民主党政権の誤診があったからこそ、アベノミクスという経済政策への転換の効果が大きく顕在化したことになる。この経済政策の成功が、安倍政権の長期化をもたらしていることは明らかだろう。

実際に、金融緩和がもたらした雇用創出は、家計の総所得を押し上げた。ただ、以前から働いている就業者の賃金上昇がわずかにとどまっているからであろうか、「景気回復が実感できない」などメディアで一部論者が強調するなど、日銀の金融政策に対する批判は依然として根強い。

日銀に対する批判の中には、例えば「日銀が金融緩和を行っても、目標としてきた2%インフレには4年以上経過しても全く届いていない」などがある。

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