安倍政権「働き方改革」への批判は的外れだ

「働き方改革」を実現する確実な方法がある

「安倍政権の働き方改革は不十分だ」との批判があるが、論点が必ずしもかみ合っていない。では「働き方改革」はどう実現すればいいのか(写真:プラナ / PIXTA)

「働き方改革」が話題だ。主要メディアなどでもさまざまな見解が示されている。

「働き過ぎ」(働かされ過ぎ)のサラリーマンは「時代遅れ」とみなされる一方、働き手としての女性・高齢者の重要性(企業にとって貴重な人材、戦力になる)が高まっている、などの時代の変化が底流にあるのだろう。また、「働き方改革」によって、「低下している」(実際には「ように見える」だけだと筆者は考えている)日本の生産性を高められるか、と考える論者もいる。そして一部の論者は、安倍政権による「働き方改革」は十分ではなく、このため生産性や人々の豊かさが高まらない、などと批判的に論じている。

そもそも安倍政権が行おうとしているのは…

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働き方改革について論点はさまざまだが、「働き方改革」の議論を整理するために、そもそも安倍政権が何を行おうとしているのか確認しよう。首相官邸が主導し2016年9月に発足した、「働き方改革の実現」には次のように示されている。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。

この中で、「多様な働き方」「中間層の所得底上げ」「格差固定化の是正」などに反対する人は、ほとんどいないだろう。筆者も、それらは望ましいと考える。また、この政府の考え方を踏まえると、先に紹介した一部論者が想定している、「働き方改革が生産性を高める手段になる」という考えを、安倍政権はそもそも想定していない。

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