「人余り」が解消、いよいよ賃金は上昇局面へ

金融緩和で近づく「2%インフレ」の実現

失業率が2%台へ低下。本格的な賃金上昇の時が近づいているのか(写真:KY/PIXTA)

2月の完全失業率が2.8%まで低下した。アベノミクスが発動した2013年初に失業率は4%台前半だったが、途中、2014年4月の消費増税後の景気失速局面で改善が止まった時期を除き、4年にわたり失業率が順調に低下し続けている。

日本経済最大の問題の1つ「人余り」が解消へ

もちろん、統計数字は単月でブレることがあり、来月に失業率が再び上昇する可能性はある。だが、今年半ばからは2%台の失業率は定着していくとみられる。2%台の失業率は、長期デフレが始まる以前の1994年以来の水準である。デフレとともに日本経済最大の問題である労働市場での「人余り状況」が、ほぼ20年ぶりに解消されつつあることは、日本経済の正常化が続いている象徴である。

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また、2016年度の上場企業の倒産が1990年度以来のゼロとなった。2015年度までは消費増税による所得減のショックが長引いたことに加え、中国など新興国経済の停滞で日本経済は不安定化した。ただ、2016年度は増税ショックが和らぎ、そして米国・中国経済の持ち直しが日本経済を支えた。失業率の低下が示す労働市場で需給の改善と同時に、財・サービス市場を含めた経済全体の需給が引き締まったが、そうした経済状況が日本企業の経営安定化や倒産減少につながっている。

2013年11月に筆者は当コラムの執筆を始めたが、日本銀行の金融緩和強化を主軸とする総需要刺激政策が日本経済の正常化・復活に必要であり、これを強化・継続することがアベノミクス成功の必要条件と考えて一貫して論じてきた。この間、消費増税という政策判断ミスで日本経済はゼロ成長にいったん失速したが、日本銀行の強力な金融緩和の後押しで「供給>需要」という不況は改善、そして強固なデフレ圧力は和らぎ続けた。

消費増税後の景気停滞や2015年半ばからの株安・円高時には、「金融緩和による景気刺激効果は見込めない」「金融緩和の限界が訪れ、弊害が表れた」「円安で日本経済は貧しくなっている」など、根拠が乏しい論者の見方がメディアをにぎわせた。筆者は、それらの見方について当コラムで終始批判的に批評してきた。

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