田園調布「お受験の名門塾」が大事にすること

合格率98%は結果でしかない

つくし会の教室に入ると、そこには小学生が使う机が6脚並んでいます。いすはなく、机だけです。そして、黒板やホワイトボードもない。一目見ただけでは、ここが塾だとはわからないかもしれません。

子どもたちは通常、週に2日ここに通い、5時間勉強します。5時間の内訳は、外に出て走ったり体操をして体を動かすのが2時間半、食事の時間が30分、机に向かっての勉強が2時間。まず普通の塾と違うのは、ほとんど休憩がないこと。そして子どもたちは立ったまま机に向かっているところでしょうか。

入ったばかりの頃はしゃがみ込んだり、泣きわめいたり、つらくてじっとしていられない子どももいます。それでも、慣れてきたらどの子も2時間でも3時間でも立ちっぱなしで机に向かいます。子どもの集中力は、大人が思っている以上にすごいのですね。

最近は筋力の低下により、まっすぐ立てない子どもが急増しているともいわれています。小学校の朝礼などでフラフラして真っすぐ立っていられないそうです。

そして、しっかり立てない子はしっかり座れません。座っているときも猫背になり、足をブラブラさせたりして、姿勢が悪いのです。

私自身、つくし会を始めた頃より、年々子どもたちの立つ力は衰えてきていると感じています。それでも、つくし会で週に4時間立ったまま勉強していると、しっかり足を踏みしめられるようになります。座って机に向かっていると筆圧が弱いのですが、立っているとしっかり床を踏みしめているからか、筆圧も強くなるのです。私は、自分の息子たちが家で勉強するときも、いすには座らせませんでした。

つくし会を卒業するころには、長時間立ってもフラフラしている子はいません。体を動かしていることもあるでしょうが、年少でも3キロメートルぐらい平気で歩けるようになります。

小学生になったらいすに座れるので、うれしくて授業中もじーっと座っているという話を聞きます。それは思わぬ副産物ですね。

子どもはしかっていい

つくし会のモットーは、「健全な競争」です。

最近の幼稚園では、運動会で競走させないところもあるようですが、つくし会では、外で走っているときは競走させますし、図工でもきれいに塗れた子の絵を教室に飾っています。そして、「あの子の絵ははみ出さずにきれいに塗れているよね。あなたはどう塗りたいの?」と聞いたりします。そうすると、「僕もきれいに塗りたい」と子どもは思うのです。

ただ、人に負けたくない気持ちより、自分なりの目標を持って頑張る気持ちを大事にしてほしいと考えています。負けたら負けたで、「今度頑張ろう」でいいのです。自分なりの目標を持てれば、どんどん上達していきます。

次ページ目上の人を敬うのは、子どもであっても当たり前のこと
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