店舗内に”住み込む”ほどのマックバカ 外食業界最強の出店システム"マックジス"とは?

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ゴールデンルールとプラチナルール

マクドナルドがユニークなのはゴールデンルールの上に「相手がして欲しいことをする」というプラチナルールがある点だ。松下氏は「マクドナルドで学んだことは山ほどあるが、ひとつだけと言われたらこれを挙げる。世界のどこにもないマクドナルドらしいルールだ」と指摘する。

マックに”住み込んでいた”アルバイト時代

自分にはなかなかわからないことも、顧客の視点に立てば評価基準は見えてくる。「“答えは相手の中にある”。コーチングの理論では当たり前の考え方をマクドナルドはトレーニングプロセスとして1980年ごろから持っていた」(松下氏)。

それを実感するときがくる。

1990年ごろ、現在はない戎橋店(大阪市中央区)の店長に就任したときのことだ。繁華街のど真ん中にある大型店で、アルバイトは100人以上必要なのに、40人しかいなかった。繁華街なのでバイトの応募は来るのだが、なかなか定着しない。人手不足で社員は毎日、朝6時から夜11時まで働いていた。

松下氏はあるとき、意を決して4人の社員と数人のスイングマネージャー(アルバイトの時間帯リーダー)を集めて、「今から3カ月間で、アルバイトの数を100人にする。60人集めて1人も辞めさせないように徹底的にやろう」と言った。

クイックサービスレストランを標榜するマクドナルド。同業を上回る提供時間を維持することで、ピーク時の売り上げを増やし、機会ロスを極限まで減らしてきた。ところがアルバイトの数が不足すると、客をさばききれないため、お昼の売り上げが伸びず、売り逃しが常態化してしまう。

そのためにおろそかになっていたアルバイトの面接内容、研修や採用初日のケアなどを徹底的に見直した。そして3カ月後、1人の脱落者はいたが、60人のアルバイトを集め、100人を達成した。今まで人がボロボロ辞めても気にしていなかった店が、「なんであいつは辞めるんだ」「何が悪かったんだ」と徹夜で議論をぶつけるまでに成長した。

松下氏は「相手を承認すること、褒めることの効果、やる気の引き出し方を学んだ」と振り返る。その後、松下氏はスーパーバイザーや店舗設備の仕様をチェックする部署を経て、西日本の出店責任者になる。

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