女性社員が多い会社は、女性にとって、本当に居心地がいいのだろうか。『就職四季報女子版』2018年版のデータを基に検証する。居心地のよさといっても基準はいろいろあるが、ここでは「女性勤続年数」を基準にすることにした。
世の中に完璧な会社などない。ただ、とりあえず居心地がよければ、女性はその会社を簡単に辞めないからだ。
前提条件となる女性社員の多さについては、「女性社員比率」を基準にすることにする。『就職四季報女子版』の巻頭に掲載されている「女性社員比率ベスト100」のうち、女性社員比率が90%を超えているのは、レリアン、ハニーズ、ヴァンドームヤマダの3社だ。いずれも婦人服やアクセサリーを販売する小売業で、女性的なイメージの強い会社である。毎年この3社がトップ3に入っている。
女性社員比率トップ3は9割以上が女性
第1位のレリアンは伊藤忠商事系の婦人服販売大手。百貨店のテナントとして全国展開している。全社員1404人のうち、95.4%に当たる1339人が女性社員だ。同社の女性の平均勤続年数は12.8年だが、女性の3年後離職率は36.7%。厚生労働省の調査では、大卒社員の3年後平均離職率は毎年30%程度なので、平均を上回っている。
第2位のハニーズは10~40代向けのレディス衣料専門店「ハニーズ」を全国に出店している。企画からデザイン、製造・販売までを自社で行うSPA(製造小売り)企業。海外売上高比率22%と小売業としてはグローバル展開が進んでいる。全社員1258人のうち、95.2%に当たる1198人が女性だ。しかし、女性の平均勤続年数は6.5年。3年後離職率についてはデータを開示していない。
第3位のヴァンドームヤマダは婦人アクセサリー販売の大手だ。主に百貨店内に直営店を出店している。全社員735人のうち94.7%に当たる696人が女性社員。女性の平均勤続年数は9.3年で3年後離職率は38.5%である。
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