女性は「女性が少ない会社」が働きやすい? 社員比率と勤続年数で見る居心地よい企業

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これらの企業は女性社員数が多いが、平均勤続年数は決して長くないし、3年後離職率はどちらかといえば高い。女性が気にする産休や育休制度を見ると、レリアンの育休が法定より半年長いだけで、そのほかは法定どおりである。

つまり、一概に女性が多いからといっても、とりわけ女性に手厚い制度があるわけではない。女性比率の高い企業が必ずしも女性に優しいというわけではないのだ。

一方、「女性勤続年数ベスト100」のうち、トップ3は富士通周辺機、JFEスチール、ケーヒンの3社。派手なファッション用品というより、どちらかといえば地味なイメージの強い企業で、女性社員比率はむしろ低い。

女性勤続年数が20年を超えている会社

第1位の富士通周辺機は富士通の完全子会社で、スマートフォンやタブレット、パソコンの開発・製造を手掛けている。全社員862人のうち、女性社員の比率は24.0%と、レリアンなどよりかなり低め。しかし、女性の平均勤続年数は25.9年で、同社男性社員の26.3年とほぼ同水準だ。

第2位のJFEスチールは、国内で2位、世界では8位の鉄鋼メーカー。全社員3997人のうち、女性社員の比率は21.8%である。ただ、女性の平均勤続年数は23.6年で、同社男性社員の16.7年を上回る。3年後離職率を開示していないのが気になるが、勤続年数がこれだけ長ければ不安は少ない。

第3位のケーヒンは、ホンダ系で最大級の自動車部品メーカーだ。電子燃料噴射関連装置や空調機器が主力製品で、このところの業績は絶好調といえる。全社員4273人のうち、女性社員比率は16.0%。しかし、女子の平均勤続年数は23.5年で、男子社員の平均勤続年数16.9年を上回っている。女性社員の3年後離職率は16.7%である。同社の場合、「女性管理職の人数を2025年までに2016年の3倍以上にする」との数値目標を立てて、女性が働きやすい環境整備を進めている。

3社とも女性社員比率が低いものの、平均勤続年数は男子社員と、ほぼ同年数か上回る。上位企業100社を見ると、自動車部品メーカー、電機・事務機器、建設業などが多い。女性比率が低い企業の方が勤続年数は多いことが読み取れる。

ただし、例外はある。百貨店だ。女性社員比率ベスト100、女性勤続年数ベスト100ともに顔を出す企業は非常に少ない中、目立つのが百貨店である。阪神阪急百貨店、高島屋、小田急百貨店、三越伊勢丹、大丸松坂屋百貨店、松屋、東急百貨店が両方にランクインしている。当然ながら百貨店という業種は女性社員が多く、女性社員にとっても働きやすい環境を整えているということがわかる。

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