4月、今年もまた、みなさんの会社にも新入社員が入社してきたことだろう。その初々しく、どこかぎこちない様子に(最近はそうでもない人も多いらしいが)、しばし自分の新入社員時代を思い出した人、ついつい先輩風を吹かせてしまった人など、少なからずいるのではないだろうか。迎える側にとっても多少緊張する季節だ。
そんな新人たちが、職場になじみ、全員一人前の戦力として成長してくれることは望ましいことだが、現実はそうではない。厚生労働省の調査によると、新入社員が入社3年以内に辞めてしまう比率は、直近2013年入社者のデータで大学卒が31.9%、高校卒で40.9%に達している。新人の側からすれば、厳しい就活を乗り越えて入社したのに……、会社側から見れば、コストをかけてせっかく優秀な(と思われる)人材を採用したのに……と、数字だけ見れば双方ともに残念な結果ではある。
個別企業の状況はどうだろうか。
『CSR企業総覧』(東洋経済新報社)では、毎年、学歴にかかわらずすべての新入社員の3年後の在籍者数を調査している。今回2017年版の調査では、2013年4月に入社した社員が2016年4月に何人在籍しているかを答えてもらっている。この調査は、就職活動生を中心に注目度が高まっていることもあって、年々開示企業数が増加している。今回は1110社の回答を得られた(昨年は965社)。
離職者ゼロが118社、最大は中国電力の220人
ミスターこと長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の国民栄誉賞授与が決定し、日銀の金融緩和指標が金利からマネタリーベースに変更するとともに、国債買入量を倍増するなどとした黒田バズーカが火を噴いた2013年4月。このとき入社した新入社員が、1人も欠けることなく2016年4月を迎えた企業は118社ある。
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