次に、アグレッシブな20代の方が準備をしておくためのハードスキルについて考えてみましょう。
質問者の方は留学経験を生かしてグローバルな仕事にかかわりたいそうですが、たとえば仕事に使える語学の基準は、交渉ができること、契約書が読めることです。いかがでしょうか?
また、グローバルというのは頭の中に地球儀が入っていることです。欧州金融危機の状況からロンドンでの買収先企業の企業価値を再検討したり、中国の人件費高騰を予測して、ほかのアジア諸国での生産拠点設立を検討したり、日本の家電メーカー再生のための資金調達を中東の投資家で検討したりと、日々、頭の中の地球儀でシミュレーションできることです。
リーダーシップと人望はドンキホーテでも買えない
最近の街のトレンド的には、「グローバル」に加えて、「リーダーシップ」と「イノベーション」というのもキーワードになってきています。確かに年齢を重ねるほど、仕事においてリーダーシップを持った人の必要性を感じるようになってきます。会計や法務のようなハードスキルと違って身に付けるのが難しく、ドンキにも売っていないのがリーダーシップや人望です。
人望があるかどうかの実験としては、オフィスで立ち上がって「一緒に辞めて起業するやつはいるか?」と言ってみるのがいいでしょう。なかなか人望を身に付けるのは大変です。なるべく若いうちに、小さくてもいいので「チームを率いた経験」を手に入れましょう。どこかでこれを経験しないと、いつまで経ってもリーダーにはなれません。
キャリアアップとは転職することではありませんが、自分の市場価値を知るために、ヘッドハンターやエージェントにコンタクトして自分の値段を聞いておくのもいいでしょう。自分の経験やスキルの何が売れて何が売れないのかもわかります。
質問者の方のおっしゃる「組織の仕組み作りや経営企画までタッチしながらグローバルに働ける環境」は若いうちでは、多国籍企業をクライアントにしているコンサルティングファームの環境に近いと思いますが、転職する気がなくとも、試にそうしたマッキンゼー、BCG、ベインといったファームを受けてみて、「こんなもんか」と思うのもよいでしょう。
MBAホルダーやプロフェッショナルファーム出身者について必要以上の過大評価も過小評価もする必要はないですし、自分で見てみて「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と思うのもよいことです。筆者の勤務先にはほとんどのメジャーなコンサルティングファーム、投資銀行出身者や弁護士、公認会計士などがいますが、変に気構えずにお互いの得意、不得意を理解しながらプロジェクトを進めています。
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