「内勤仕事は家庭と両立しやすい」は本当か 「営業職よりスタッフが楽」と信じる女性たち

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私の同僚でスタッフ職ワーキングマザーの女性が、「時短勤務だったから、時間どおりに手元に来なかった案件は誰かにお願いするしかなくて。お先に失礼しますとあいさつしにくくて裏口からこっそり帰ったことが何度もある」と言っていて、大変だなぁとしみじみ思ったことがあります。彼女は「誰かの役に立ちたかったのに、誰かに迷惑をかけている罪悪感が半端なくて、辞めるしかないといつも思っていた」と語っていました。その心情には、共感するスタッフ職ワーキングマザーたちも多いのではないかと思えてなりません。

やりやすそうという理由ではダメ

厳しい言い方をするようですが、あなたのご相談を読んでいて、もしあなたが消去法でスタッフ職を選ぶのならば、転職であろうが異動であろうが、それではプロとして通用しないのではないか、と私は思ってしまいます。あなたが仕事そのもので、「あの仕事に挑戦してみたい」「こういうことを実現したい」と思うのでなく、単にやりやすそうという理由でスタッフになったら、やはり営業と同様に、「これでは両立なんてできない」「こんなはずではなかった」と思ってしまうような気がするのです。

もちろん、世の中には、きっちり時間が決まっていて、プライベートとメリハリがつけられる仕事があるでしょう。営業とかスタッフとか、といったシンプルな比較ではなくて、まったく別の仕事を含めて検討し、転職や異動を考えるのもひとつだとは思います。

でも、今の仕事でなかなか思ったような働き方ができないからといって、将来もずっと同じ働き方になると決めつけるのはまだ早いかも。営業の仕事を続けていくうちに、自分なりの顧客コントロールや時間管理もできるようになるかもしれないし、会社のスタンスが変化していくことだってありえます。

スタッフ職の仕事や働き方研究が不足しているのも気になります。友人たちの話すことがリアルな実態とは限りませんよ。イメージや思い込みだけでなく、社内外のリアルな声を聞いてあなたなりに解釈しながら、自分に適性があるのか、思っているような働き方ができるのか、考えてみてはどうでしょうか。転職や異動を考えるならなおさら、早計な判断をせずに、実態を「知る」ところから始めてみてはどうかなと思います。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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