東洋経済が毎年発行している『CSR企業総覧』2017年版データを用いたランキングシリーズ。1月13日に配信した「『女性管理職』を積極登用する50社ランキング」に続いて、女性部長の比率が高い会社のランキングを紹介しよう。
比率トップは昨年に続きパソナグループ
ランキングは、2015年9月以降の時点で女性の部長が5人以上いる企業を対象とした。
トップは昨年に引き続きパソナグループで、比率は27.8%と昨年調査時点の32.9%から下げたものの、首位の座を守った。部長の人数が昨年(2015年9月時点)の155人から126人に減少したことにともない女性部長の数も51人から35人に減ったことは影響したが、やはり人材派遣会社として、女性のキャリア形成を支援するための業務に注力していることもあり、女性の目線は欠かせない。
とくに最近では、2013年に女性の活躍推進を目指す企業に向けたコンサルティングサービス「Women's Workstyle Service」を開始。2015年9月からは、女性管理職の転職と転職後のキャリア形成を支援する『キャリア支援付女性管理職人材紹介サービス』をスタートさせている。また前述の「女性活躍推進法」施行に合わせ、管理職・管理職候補者向け『女性リーダー育成プログラム』の提供も始めている。
2位はベネッセホールディングス(データはベネッセコーポレーション)で、昨年の4位から順位を上げた。出産・育児期のとくに母親向けの情報提供から、子育て支援、小・中・高校生向けの学習教材・情報提供など教育・生活事業が主軸だけに、事業を展開していくうえで女性(母親)目線はどうしても必要だ。
同社は2014年夏に大量の顧客情報が流出し、経営に大きなダメージを負った。大規模な構造改革により経営再建を進めているが、まだ道半ばだけに、ここにも女性部長ならではの視点・感性・リーダーシップといった手腕が期待される。
3位には全国で調剤薬局を展開するクオールで、昨年の9位から大きく順位を上げた。組織変更などもあり昨年調査と比べ全体の部長数が55人から48人に減少したが、うち女性部長数は9人から12人へと増加したことが要因だ。厚生労働省発表の「医師・歯科医師・薬剤師調査」の最新2014年データによると、薬剤師の男女比は全体で男2:女3、薬局勤務者に限れば男2:女5と圧倒的に女性の比率が高い。同社は調剤薬局の展開が事業の柱であり、従業員の多くが薬剤師だということを考えると、女性部長比率が高いのもうなずける。
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