「女性部長」を積極登用する50社ランキング 比率1位はパソナ、小売り・サービス業高い

✎ 1〜 ✎ 51 ✎ 52 ✎ 53 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2位はアインホールディングスで、昨年3位から順位を1つ上げた。同社は調剤薬局であるアイン薬局を主軸に、都心部を中心にコスメなど女性をターゲットとしたアインズ&トルペなどのブランド展開も進めている。前述のクオール同様、薬剤師が多いことに加え、女性をターゲットとした事業展開を強化しているため、女性部長の比率は直近、14年版16.7%、15年版20.0%、16年版23.1%と年々高まっていた。

なお、同社も2015年11月に持株会社体制に移行している。それまでの旧アインファーマシーズの管理部門だけを、社名変更した持株会社アインホールディングスに残し、事業部門は新たに設立した新アインファーマシーズに移管している。本調査では、今回より持株会社であるアインホールディングス単体のデータとなったことから、部長数も女性部長数も大幅に減少している。したがって、こちらも厳密な比較はできないが、イオンフィナンシャルサービスと同様の理由から対象に含めた。

みちのく銀行が5位にランクイン

上位には小売業やサービス業の企業が並ぶなか、5位にみちのく銀行がランクインした。地方銀行というと、女性の管理職登用が進んでいるというイメージからは程遠い印象だが、実は同行は昨年も4位とこの業界でひとり気を吐いているのだ。

「東洋経済CSRデータeBook2017ダイバーシティ推進編」(東洋経済新報社)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

同行は、ダイバーシティの推進に積極的に取り組んでおり、その1つとして2011年に女性職員で構成する「smililies(スマイリリーズ)」というチームを立ち上げ、「多様な発想による金融サービスを検討すると同時に、女性が自身の個性を活かした能力を最大限に発揮するための職場づくりやマインド醸成」(同行HPより)を図っている。

これを受け、5年前の2011年(2012年版)では2.7%(111人中3人)だった女性部長比率は翌2012年(2013年版)に9.2%(109人中10人)へと一気に拡大した。2014年(2015年版)には10%を超え、今回までその比率を拡大させている。

このランキングでは、10位台の中盤以下に各業界を代表する大企業の名前が連なっている。いずれも女性の活用やダイバーシティ推進など積極的に取り組んでいる(とアピールしている)企業ばかり。この5年間で女性部長の登用を増やし、比率を2~3ポイント拡大させてきているものの、実際の比率はまだ1ケタ台の企業がほとんどだ。

多くの企業が女性管理職の登用に関して数値目標を定め、それに向けた取り組みを進めている。もちろん単なる数合わせで良いわけではないので、管理職としてふさわしい能力やスキルの育成も必要だし、それ以前に女性がキャリア形成と結婚・出産・育児とを両立できる体制作りも不可欠だ。優秀な女性を登用し、その結果としてパフォーマンスが向上する。こうした流れが定着するには多くの試行錯誤が必要で、まだまだ時間を要するが、一歩ずつ着実に進めていくことが肝要だ。
 

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事