2位はアインホールディングスで、昨年3位から順位を1つ上げた。同社は調剤薬局であるアイン薬局を主軸に、都心部を中心にコスメなど女性をターゲットとしたアインズ&トルペなどのブランド展開も進めている。前述のクオール同様、薬剤師が多いことに加え、女性をターゲットとした事業展開を強化しているため、女性部長の比率は直近、14年版16.7%、15年版20.0%、16年版23.1%と年々高まっていた。
なお、同社も2015年11月に持株会社体制に移行している。それまでの旧アインファーマシーズの管理部門だけを、社名変更した持株会社アインホールディングスに残し、事業部門は新たに設立した新アインファーマシーズに移管している。本調査では、今回より持株会社であるアインホールディングス単体のデータとなったことから、部長数も女性部長数も大幅に減少している。したがって、こちらも厳密な比較はできないが、イオンフィナンシャルサービスと同様の理由から対象に含めた。
みちのく銀行が5位にランクイン
上位には小売業やサービス業の企業が並ぶなか、5位にみちのく銀行がランクインした。地方銀行というと、女性の管理職登用が進んでいるというイメージからは程遠い印象だが、実は同行は昨年も4位とこの業界でひとり気を吐いているのだ。
同行は、ダイバーシティの推進に積極的に取り組んでおり、その1つとして2011年に女性職員で構成する「smililies(スマイリリーズ)」というチームを立ち上げ、「多様な発想による金融サービスを検討すると同時に、女性が自身の個性を活かした能力を最大限に発揮するための職場づくりやマインド醸成」(同行HPより)を図っている。
これを受け、5年前の2011年(2012年版)では2.7%(111人中3人)だった女性部長比率は翌2012年(2013年版)に9.2%(109人中10人)へと一気に拡大した。2014年(2015年版)には10%を超え、今回までその比率を拡大させている。
このランキングでは、10位台の中盤以下に各業界を代表する大企業の名前が連なっている。いずれも女性の活用やダイバーシティ推進など積極的に取り組んでいる(とアピールしている)企業ばかり。この5年間で女性部長の登用を増やし、比率を2~3ポイント拡大させてきているものの、実際の比率はまだ1ケタ台の企業がほとんどだ。
多くの企業が女性管理職の登用に関して数値目標を定め、それに向けた取り組みを進めている。もちろん単なる数合わせで良いわけではないので、管理職としてふさわしい能力やスキルの育成も必要だし、それ以前に女性がキャリア形成と結婚・出産・育児とを両立できる体制作りも不可欠だ。優秀な女性を登用し、その結果としてパフォーマンスが向上する。こうした流れが定着するには多くの試行錯誤が必要で、まだまだ時間を要するが、一歩ずつ着実に進めていくことが肝要だ。
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