日本企業の「残業好き」が崩壊する意外な理由

気鋭の経済学者が読み解く「ライフ・シフト」

気鋭の経済学者が、働き方の未来を語る
日本企業の主戦力とされてきた男性正社員が、「介護離職」で職場を離れざるをえなくなったとき、日本企業、ひいては日本社会が大きく変わりうると、大阪大学・安田洋祐准教授は説く。長寿社会への適応は、日本経済に何をもたらすのか。
ベストセラー『ワーク・シフト』の著者らが書いた『The 100-YEAR LIFE』の日本語版『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』が10月21日に発売される。誰もが100年生きうる時代の働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてを描いた本書の内容に関連づけながら、安田准教授に新しい日本の働き方、生き方のビジョンを聞いた。

介護離職が日本を変えるチャンス

誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか。働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてが変わる。目前に迫る長寿社会を楽しむバイブル。書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします

――この本の特徴を、どうご覧になっていますか?

簡潔にまとめると、長寿化によって働く期間は長くなっていく。一方でテクノロジーの進展、たとえばAIの進化や新しい機械の登場で、職業選択の幅が広がる。労働市場の状況も早く変わっていく。そうしたなかで、個人レベルでどう対応するか、個人で何ができるかを描いた本ですね。

――私たち一人ひとりが、これからどう人生を描くかのヒントがある、ということですね。

そうですね。がっちりしたマクロ経済の話というよりは、ミクロレベルでキャリア形成に資する内容です。教育・労働・引退という画一的な3ステージモデルが終わって、人生がマルチ・ステージ化する。労働の後に学びの期間があったり、複数の仕事を同時に持ったりと、人生のシナリオが多様化する。そういうなかで、どう生きていくかを考える指針として非常に参考になると思います。ただ、企業の側からの関心もあると思います。

日本で、従来の働き方が大きく変わるきっかけになりうるものに、介護離職の問題があります。

次ページ「介護離職」問題は働き方に大変革をもたらす
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 角田陽一郎のMovingStudies
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT